頓挫しかけた開業計画

いや〜、人生ってなかなかトントン拍子には進んではくれませんね。

西成の院を退職を決めたものの、すぐには退職できません。結局半年ほど働かされましたが、その間に開業の準備をすることにしました。

開業するには、公的機関や金融機関からお金を借りないといけません。色々手助けしてくださる方と知り合う機会に恵まれたものの、まさかまさかのここで久々に母親の登場です。

なんと私名義で勝手にサラ金で200万近くの借金をしていたのです。事業資金の借り入れの場合、サラ金でお金を借りているとほぼ絶対融資はしてもらえません。今まで積み上げてきたものが、音を立てて崩れ落ちたかのように思えました。さすがに恨みました。

「中学生の頃からの俺の夢を・・・」
「子が親に迷惑掛けるのはある意味道理だが、親が子に迷惑かけるって・・・」

怒りで手が震えたのは初めての経験でした。しかし、名義は私ですので私が借金したという事実になってしまっています。これをなんとかしないとどうにもできませんが、「修業」という名のもと、むちゃくちゃな安月給で働いてきた私にとって200万とは、当時でも2年弱働いてようやくいただける金額でしたので、一括で支払うことなんてできません。

開業を諦めかけたのですが、その時にうちの院の建物を建ててくださる社長さんから

「まっちゃん、その200万立て替えたるわ。で、資金借り入れが終わったらそこから俺に払え」

と言ってくださいました。借用書もなしで、本当に「ポン」と貸してくださいました。あの方がいなければ、もしかしたら今でもこの西宮市にまつむら鍼灸整骨院は存在してなかったかもしれません。(私の人生は身内には迷惑をかけられっぱなでしたが、その分以上に他人に助けられている人生だと思います)

一流チームでのトレーナー経験

すったもんだはあったものの、なんとか開業の目処は立ちました。しかし当時中国の建設ラッシュのため鉄不足で、鉄骨がなかなか入らず、本来は平成16年の秋には開業できる予定が、建物が建つこと自体が年末ギリギリか年明けの平成17年になるという状況になりました。

そんな時、
「短期でいいから、分院長してくれ!」

と知り合いにお願いされ、11月までの数ヶ月間勤務させていただきました。当初1月開業の予定だったため、12月は開業準備にあてようと考えていたのですが、結局院ができるのは2月頃と言われてしまいます。

「おいおい、2月までお金ないで・・・」

と思っていたところ柔道整復師の専門学校時代の先輩から電話がかかってきました。

「まっちゃん、ラグビーのトレーナーやってくれへんか?ギャラも結構出るで!」

という内容でした。
正直、野球やサッカーは全然知らないし興味もないのですが、生活費が必要だったのと、球技で唯一好きなのがラグビーだったので即答で「行きます!」と答えました。

当初、「社会人のラグビーチーム」としか聞いていなかったのですが、合宿に参加する前々日に「サンヨーワイルドナイツ」というトップリーグのチームであるところだと知らされびっくりしました。練習嫌いなトンガ人にいかに練習休ませないか、痛みにナーバスな選手をいかに納得させるかなどにかなり頭を悩ませながらも、結構楽しく仕事をさせていただきました。

合宿最終日にはなぜか契約金の話と契約年数、年棒の話をされたのですが、開業が決まっていたので泣く泣くお断りさせていただき(この時は当時の監督直々にかなり熱心に誘っていただき、後日お電話までいただいたので本気で開業を3年ほど延期しようかと思ったほどでした)、ちょうど年末ギリギリに建物も完成し引越できるということで、平成16年で仕事を納めることとなり、本格的に開業に向けての準備をし、めでたく平成17年2月14日に開業することとなりました。

なったのですが…

(柔道整復師・鍼灸師 松村正隆 監修)

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