西宮のまつむら鍼灸整骨院 院長のブログ

兵庫県西宮市にある「まつむら鍼灸整骨院」院長のブログです。整体、鍼灸、ケガの治療、スポーツ選手のコンディショニング身体の事は当院にお任せください!

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巨人の澤村選手の長胸神経麻痺について

   

こんにちは、兵庫県西宮市のまつむら鍼灸整骨院院長の松村です。

私は野球には本当に疎くて、未だにイチロー、松井、松坂、ダルビッシュ、田中マーくん(フルネームなんでしたっけ?)、ハンカチ王子(名字なんでしたっけ?)くらいしか選手を知りません(笑)
野球用語もわからないことが多くて、ライトというポジションはバッターから見て右側のことをいうのか、バッターの正面の点数の掲示板(あれなんて呼ぶんでしょ?)から見て右側なのかいっつもわからなくなります。

でも、一応西宮市民なので、岡田、掛布、バースの名前は知ってますよ♪

アルシンドは野球?サッカー?

とまあ、こんな感じなんですが、野球選手はよく治療に来られます(笑)

お忍びなので名前は明かせませんが、プロ選手もいます。
というか、知らなくて(笑)、問診の時に

「スポーツ何されてるんですか?」
「あ、野球ですか〜、良い体してますよね。社会人でされてるんですか?」

などと、テレビに出てるくらいの選手らしいのですが全く知らなくてやっちゃってました。
阪神の選手に藤本って人いるかいたかしたんですかね?
コンビニで私の前にならんでいたのですが、小さすぎてわかりませんでした(笑)

このように野球情報は全然疎くて、普段ネットニュースをチェックする時も野球とサッカーの記事はスルーなわけですが、さすがに巨人の澤村という選手の長胸神経麻痺のニュースはチェックしました。

一般の人にとっては、長胸神経ってかなりマイナーな名前かもしれませんので、私のスマホに入っているアプリの画像を引用してそのあたりをまず解説していきたいと思います。

 

長胸神経って

「百聞は一見にしかず」と言いますので写真を。

 ↑
この画像の薄い青色の神経が長胸神経です。

こんな風に

首の横から出て

胸のほうに降りていきます。

鍼灸師の一人として、長胸神経を鍼で傷つけるって一体どこにどう打ったの?と疑問に感じるのですがそこは後述させていただきます。

 

長胸神経麻痺って?

ではこの長胸神経が麻痺するといったいどうなるのでしょうか?

澤村選手のニュースでも出ていた前鋸筋という筋肉が動きにくくなります。
前鋸筋ってまたなかなかマイナーな筋肉ですので、こちらも画像で。

この青い部分です。

後ろから見ると

こんな感じで、肩甲骨から肋骨についています。

ちなみに

この写真の胸のところに三つほどポコポコっと浮かんでいる筋肉ですね。
(写真は柔道家です)

全く関係ありませんが、この選手はリアルケンシロウです(笑)ので、せっかくなのでその写真も。

彼はもう引退しましたが、今は全日本の指導者として柔道の選手育成に励んでおります。
野球もいいですけど、日本柔道も応援よろしくお願いしますね♪

 

で、話を戻しますと、前鋸筋が動きにくくなる、もしくは動かなくなることで肩甲骨の動きがおかしくなるため肩を動かした時に違和感を感じます。(典型的な翼状肩甲という症状が出ます)

まあ確かにプロのピッチャーとしては投げられないでしょう。

実は、長胸神経麻痺の別名は「リュックサック麻痺」と言います。
読んで字の如く、ですが、リュックサックを長時間背負うことで麻痺が起こることがあるということでこの名前が付けられました。
(しかし本当の原因は別にありますがこれも後述させていただきます)

 

神経麻痺ってなんで起こるの?

さてここで色々疑問も生まれてきます。
そもそも神経の麻痺ってなんで起こるのでしょうか?

念頭に置いておきたいのは、神経というのは電気を通す導線と同じようなものであるということです。
ではどんな時に麻痺が起こるのかを考えていきます。

中枢で何かしらの異常が起こった時

中枢、要するに脳の問題か、脊髄の問題です。
この場合は「〇〇神経麻痺」という病名はつきませんのでこの記事ではあまり触れないでおきます。

 

末梢(脳、脊髄よりも先)で何かしらの異常が起こった時

何らかの理由で神経が切断や損傷された場合

例えば刃物でどこかを切った場合や、注射をして針を刺す時や抜く時に起こる可能性があります。
ちなみに、神経の繊維もさほど脆くないので(何かしら内科的要因などがない場合)、鍼灸の鍼のように直径が0.2mmとかの柔らかいステンレス製の鍼で切断される可能性って本当に低いものと考えられます。

 

どこかで絞扼されている場合

これ、よくお医者さんとかが言う

「神経が圧迫されてますね」

というヤツです。
硬くなった筋肉が神経を絞扼する、骨や軟骨などが神経を絞扼するということが考えられます。
ちなみに、ヘルニアもその理論ですが、ヘルニアに関してはエビデンス(科学的根拠)的にも、ヘルニアが原因でない痛みもたくさんあることがわかっていて、MRIを撮って大騒ぎするのは日本のお医者さんくらいのものです。

 

しかしながら、私はこの「絞扼」が果たして本当の原因かどうか疑わしいと思っております。
もし絞扼されることが原因で痛みや痺れなどが起こるのなら、ヘルニアの場合は絶対に手術しなければならないはずです。

しかし現実的に手術の成績は保存療法(我々が手で行う治療や鍼灸治療)の成績と変わらないか劣っていることがすでに証明されていますし、術後の予後もさほどよくありません。
実際に私の院に受診される人の中でも、

「ヘルニアの手術を受けたけど全然よくならない」

と受診される人が非常に多いです。

ここで少し話が逸れますが、先述した「導線」のお話を。

神経が伝達するのは電気です。
導線も電気を通します。

原理は同じようなもの。
となると、中学生の理科で習った電気の理論も共通すると思います。

電気が通る時、「抵抗」というものがあります。
要するに電気の通りやすさ(通りにくさとも表現できます)です。

例えば金属なら、銅より銀のほうが電気を通しやすいとかのアレです。

実は導線の抵抗値というのは、素材によっても変化しますし、金属の場合なら温度が低いほうが電気は通りやすいです。
また、導線の断面積は狭いより広いほうが電気は通りやすい、という性質を持っています。

もちろん人間の神経繊維は金属ではできていませんので、この導線の性質が全て当てはまるわけではありません。
ちなみに半導体に関しては温度が高いほうが電気が通りやすいのですが、神経繊維が半導体であるという証明もされておりません。

また「電気」というものについては、結局のところ人間の神経繊維を通る電気も、パソコンに通る電気も同じなわけで、ある程度性質的な共通点があるはずだと私は考えております。

となると、絞扼、要するに神経繊維をしばりつけて「ちょっと痺れる」という症状だけでなく麻痺まで起こそうと思うと、かなりピンポイントでかなり強くしばりつけない限り起こらないということになります。

そういう点では「筋肉が硬くなって…」という論理はあまり通用するものではないかと思うのです。
ただ、可能性としては筋膜。
鶏のササミにもついているあの薄い膜です。
あの筋膜が硬くなることはすでにわかっておりますので、あの薄さである程度の強さで硬くなってしばりつけることで、ある程度の神経的症状が起こりうる可能性は捨てきれないでしょう。

ただ、実は麻痺を含む神経症状が出る状況がもうひとつあります。

それが…

 

神経繊維に牽引力がかかっているとき

なんです。

これはすでに科学的に証明されている事実で、絞扼された時よりも電気が通りにくかったというデータが出たそうです。

ちょっとここで神経の細かい絵を。

手書きなので見にくくてすみません(汗)

※専門家の方へ
「無髄神経も書かんかい」とかイジワル言わないでくださいね。
面倒だし、今回はそもそも前鋸筋の障害をテーマにするのであえて有髄神経のみに絞っております。

実は神経における電気は、絵の「ランビエの紋輪」というところをスキップして伝わります。
これを「跳躍伝導」と言います。←国家試験に出るかも(笑)
そうすることで、伝達速度を上げることができるので、スピードを要求される運動神経や知覚神経などはこのシステムを取り入れています。

私が最初神経繊維に牽引力がかかった場合に神経の伝達が悪くなると聞いたのは実は学生時代の話。
当時はこの絵を思い出して「ランビエの紋輪」のところが引き離されて跳躍伝導できなくなるんかな〜と思ったんです。

でも、よくよく考えたらこの絵は顕微鏡レベルの話で、神経の束になった場合はこの絵の細胞の集合体なわけで、全部が全部ダメになるとも考えられないよな、と思いました。

その時に、導線の性質を思い出したんです。
ゴムが引っ張られると、どんどん細くなりますよね。
神経にも同じことが起こっているんじゃないかと思ったわけです。

たまたま私自身が柔道をしていて一度肘を脱臼し、その後遺症で尺骨神経麻痺が出る肘部管症候群になっていて、CT検査をするとすでに肘あたりの骨が変形してしまっていてそれが尺骨神経を圧迫してしびれがが出ていると診断され、

「松村くん、いつ手術する?」

と学生時代に実習先の病院で言われていたので実験的な治療をしたんです。
それはカンタンに言うと、「神経をたわませる」というもの。
要するに、引っ張る力をなるべく弱くすることでしびれもマシになるんじゃないかという論理。

これが成功したんですね。
おかげで今でも手術してません。
(私の場合はすでに骨が変形しているため[厳密には骨棘がいたるところにできている]定期的に自分で治療しないとしびれが出ますが)

とまあ、神経にかかる牽引力がしびれを含めた麻痺の原因であることは明確ですので、この「牽引力がかかることが原因」ということを踏まえてもう一度長胸神経麻痺のことを考えてみましょう。

 

長胸神経麻痺の原因

日本の医療業界って、本当に医者が王様なんですよね。
医者でも間違えてることや、勉強不足なことが多々あるんですけどね。

まあでも、日本に居るので「郷に入っては郷に従え」の通りにしましょう。

日本の医療界の王様の中の整形外科医の集まりである日本整形外科学会のホームページを参考にしてみましょう。
さすが、いいこと書いてます。

こちらがリンクです↓
https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/winged_scapula.html

はい、

「前鋸筋の単独麻痺はこの筋を支配する長胸神経が、テニスのサーブやゴルフのクラブスイングのようなスポーツや、産褥期の腕を挙上した側臥位での新生児との添い寝などによって伸張されて麻痺するのが主な原因です。」

と書いております。
要するに、長胸神経が伸張されれ麻痺するのが主な原因ということです。

先述したようにリュックサック麻痺とも言われ、リュックサックを長時間背負いすぎたときになると言われがちですが、天下の整形外科学会様でも、長胸神経麻痺が起こるのは神経が伸張されるのが原因であると言っているのです。

大事なことなのでもう一度詳しく言いますね。

長胸神経麻痺が起こるのは、テニスのサーブのような動作やゴルフのクラブスイングのような動作で、長胸神経が伸張されることが原因と整形外科学会が言ってます。

テニスのサーブとピッチング、似てますよね。

 

鍼で長胸神経を損傷させることは可能か?

すご〜〜〜く長くなってしまいましたが、ようやく本題に入りたいと思います。

鍼が鍼である以上、神経を損傷させる可能性はゼロではありません。
しかし…

まずは動画をご覧ください↓

これはうちの鍼を使って、メモ用紙に鍼を当てた動画です。
鍼灸師の方しかわかりませんが、うちの院で一般的に使っている寸6-3番と、たまに使う2寸-5番という通常より少し長くて太い鍼両方で試してみました。

うす〜〜いメモ用紙なんですが、刺さる前に曲がってしまいます。直径0.2mmにも満たない、やわらか〜〜いステンレス製の鍼って、実は鍼を打ってから刺していくのにもそれなりの技術が必要なんです。長胸神経にダイレクトに鍼をバチッと当て、グリグリ〜っとやるかなんかしても損傷するかどうかわかりません。

というか、前鋸筋がダメになっているとしたら、前鋸筋に打ってもダメにできないと思うので、それよりも身体の中枢よりで損傷させないといけないので、首あたりに打ってグリグリ〜でしょうかね。

ま、グリグリしても損傷させられませんけど。

もう一度、長胸神経の画像を見てみましょう。

これ、首あたりの拡大図です。

神経むっちゃあるや〜ん!
この中から長胸神経を狙って鍼打つ…

しかも、コレは教科書的なもので、実際の人の身体ってそれぞれ違うんですよね。
いや〜、もしできるならある意味神技です。

難易度はかなり高いものとなります。
それか、注射針かメスでも使ったんでしょうか。

そもそも、澤村選手は肩に違和感があるから鍼治療を受けたわけで、整形外科学会的に言うならば、ピッチング動作によって長胸神経を伸展させてしまって症状が起きていた可能性のほうが高いのではないかと思われます。

 

鍼は案外安全なんです!

身体に鍼を刺す、一般の人からすると非常に怖い行為を我々鍼灸師はやっています。
だからこそ国家資格。最近京都の鍼灸師が猥褻行為で捕まってしまっていましたが…(泣)

人の身体に鍼を打っていいのは、医師か鍼灸師だけ。
ただ、医師は法的には打てますけど、打ち方を習っていなければ現実的には打てないでしょう。

たまに

「腰なんて神経集まってて危険ちゃうんですか?」

なんて言われることもあります。
実は逆なんですね。

我々がどう練習するかというと、まずは自分の足に打つ練習をするわけです。
次に人に打つのですが、腰が安全なので腰で練習します。

危険なのは背中です。
気胸というものになるリスクがあるからです。

ただ、私も長年鍼灸師をやってきて、散々人の身体にバシバシ鍼を打ってきましたが、今まで神経の損傷どころか気胸も経験ありませんし、その他細かいトラブルや過誤も起こしたことがありません。
実は私は不良鍼灸師でして、修業していた頃は

「開業してからは失敗できないから、やっすい給料でこき使われてる(我々がこの業界に入った頃は師弟制度的なものなので初任給1万円とかでした)から、およそ危険だと言われることはなんでもやって経験しておこう!」

という決意のもと、患者さんに鍼を打っていた頃もありましたが、それでも一切何も起こりませんでした。
ただ、本当にヤバめな時って、なんとなくわかるもので、やっぱりその一線を越えることができませんでした。
案外

「先生、昨日打ってもらった鍼、アレよかったわ〜、むっちゃ楽になった!」

と喜んでいただけたり。
人って、よっぽど嫌いじゃない限り、なかなか故意に傷つけることはできないもんだな〜なんて思ったりもしました。

まあそういうこともしていたおかげで、その一線よりもまだ安全なところでやっていますので開業してから今までトラブル無しでやってくることができましたし、そもそも、鍼治療そのものが無資格者が打つか、よほどおかしい鍼灸師が打たない限りは、治る治らないは別として非常に安全なものであると言えると思います。

もちろん、これだけ論理展開をしてきたにも関わらず書いてしまうと、鍼治療によって長胸神経麻痺が起こったという可能性もゼロではないです。

ただ、鍼治療の安全性や、長胸神経麻痺が発生する原因など、様々な要因を噛み合わせると…

 

結論はご想像通りだと思います。

鍼治療はとっても安全ですので、安心してくださいね。

 

〜 まつむら鍼灸整骨院 〜
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