胸郭出口症候群(首の付け根から肩、腕にかけての痛みやしびれ)について
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こんにちは、兵庫県西宮市まつむら鍼灸整骨院院長の松村です。
アーチェリーの山本選手が胸郭出口症候群の手術をするというニュースを目にしました。
というか山本選手、57歳なんですね。
競技はそれぞれですが、57歳で現役のモチベーションを保ち続けるって凄いことだと思います。
さてさて本題です。

胸郭出口症候群ってなに?

胸郭出口症候群って、なかなか聞き慣れない名前です。
症状的には、首の付け根や肩から、背中、腕にかけて痛みやしびれが出る感じです。
胸郭出口症候群のメカニズムは、腕神経叢(わんしんけいそう)という、首から腕にかけて出ている神経が集まって束のようになっているものや腕まで通る血管がなんらかの原因によって圧迫されることによって起こることを言います。
言葉ではなかなかお伝えしにくいので、画像でお伝えしますと・・・・

大雑把に言うと、赤〇印の中のトラブルが胸郭出口症候群と言えます。

胸郭出口症候群の分類とそれぞれの原因

胸郭出口症候群は神経や血管が圧迫される場所によって、
①斜角筋症候群
②肋鎖症候群
③小胸筋症候群(過外転症候群)
の3つに分類されます。
それぞれの番号でどのあたりが原因か下の画像に印をつけてみました。

①斜角筋症候群

上記画像の①の赤丸の中にある筋肉、これが斜角筋という筋肉なのですが、前、中、後の斜角筋で構成されています。
それら斜角筋同士の隙間を「斜角筋隙」と言うのですが、そこが神経の通り道となっています。
斜角筋は首の動きや呼吸に関係する筋肉なのですが、何らか原因で斜角筋がかたくなり、それが続いてしまうことで症状が出ると言われています。

②肋鎖症候群

上記画像の②の赤丸の中にある第1肋骨と鎖骨の間の「肋鎖間隙」という神経や血管の通り道が、なんらかの原因で狭くなることで症状が出ると言われています。

③小胸筋症候群(過外転症候群)

小胸筋症候群は、小胸筋という筋肉と鳥口鎖骨靭帯という靭帯でできる隙間「小胸筋下間隙」が狭くなることで痛みやしびれなどの症状が出ると言われています。

胸郭出口症候群の治療

一般的には保存療法で無理なら第1肋骨や斜角筋を切除する手術と言われています。
ただ、今回のアーチェリーの山本選手のように、明らかにアーチェリーのフォームが原因で、なおかつそれを取り除くことができない場合は「競技のため」に手術をするという選択は「しかたなく」ありだとは思うのです。
しかし、そうでない一般の方々は安易に手術を選択するべきではないと考えます。
というのも、①〜③どれをとっても結局のところ身体のゆがみが原因で引き起こるものであることは、臨床経験上間違いありません。
身体のどこが原因かは人それぞれですが、どこかが原因で身体全体のバランスが崩れた結果、胸郭出口症候群という症状として表れているのです。
ですので、整体治療で身体のバランスを整えることで、胸郭出口症候群はかなり改善されていきます。

胸郭出口症候群の際に絶対にやってはいけないこと

一番やってはいけないのはマッサージです。
特に、上記画像あたりを強くもむ、なんてのは治療どころか罪悪です。
次に首をボキボキ鳴らすような整体です。
胸郭出口症候群は、首が原因だと思われがちですが、もっと奥に本当の原因が隠れていることが多いです。
にも関わらず、首にばかりアプローチするのはとても危険です。
やってはいけない最後のことは、自分でなんとかする、です。
現在、YouTubeが流行っているので「自分でできる〇〇ケア」的な情報は色んな治療院から出しております。
しかし、あれらの中で本当に良いものはとても少ない。
僕たち同業なら「これはあかんやろ」をすぐわかるものでも、一般の方には判断できないものがとても多いです。
自分で判断せず、プロに任せるのが一番かと思います。
失敗しない治療院の見分け方を解説した動画を貼っておきますので、参考にしてください。

まとめ

胸郭出口症候群は、神経や血管がいたずらされている場所によって斜角筋症候群、肋鎖症候群、小胸筋症候群(過外転症候群)の3つに分類されます。
原因となってるのは身体のゆがみです。
ただ、とても残念なことに身体のゆがみの原因は人それぞれですので、セルフケアが通用しにくい症状です。
また、強いマッサージや首をボキボキ鳴らす整体は危険ですし改善しないので選択しないようにしましょう。
ですので、治らない治療院をしっかり見極めて、信頼できるプロに任せるのが最善の手段かと思います。
胸郭出口症候群は、じっとしていても症状が出てとても辛い傷病の一つです。
なんとか良い治療院を見つけていただき、辛い症状から解放されましたら幸いです。

(柔道整復師・鍼灸師 松村正隆 監修)

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