兵庫県西宮市のまつむら鍼灸整骨院 院長の松村です。
今回は、患者さんの中でも相談が多い、耳鳴りと突発性難聴(難聴)です。
この2つについて書かせていただきたいと思います。
YouTubeにも動画をアップしておりますので、ぜひそちらもご覧下さい。
「そもそもなんでなるの…?」突発性難聴、耳鳴りの原因とは?
突発性難聴になってしまって「どっちかの耳が聞こえにくい」とか「詰まってる感じがする」ということで受診された時に、「そもそも何でこうなるんですか?」ということの相談をよく受けます。
なぜかと言うと、特に突発性難聴の場合、やはり耳が急に聞こえなくなったり、聞こえにくくなったりするので、いきなり僕らの所に…「鍼しよう!」とは思わずに、やはりまずは耳鼻科(病院)に行かれます。
病院では色々な検査後、「突発性難聴」と診断されお薬を処方されます。
お薬はだいたい、炎症を抑えるためのステロイド系とビタミン剤や血液をサラサラにする薬、血行を良くする薬などがセットで処方されます。
しかしながら、医学のことを少し知っておられる患者さんだったり、今はインターネットでお薬も調べられるので、
「ステロイドって炎症を抑える薬じゃないか。それと血行を良くするお薬をなぜ一緒に飲ますんだ?相反しているじゃないか」
と疑問を持たれる患者さんもおられます。
しかしながら病院では、「炎症が起こっている」という説明は受けても〝なぜそうなるのか?〟等の根本的な説明がないため、患者さんの不安が取り除けないことが多いようです。
そこで今回は突発性難聴、耳鳴が起こる原因について、現在わかってる範囲で解説させていただきたいと思います。
耳が音を感知するメカニズム
*ここからの説明は動画をぜひご覧下さい*
(動画では絵で解説していますが)まず耳の穴があって、その奥に鼓膜があります。
鼓膜から、「耳小骨(じしょうこつ)」という体の中で最小の骨がつながっています。
(「ツチ骨」「キヌタ骨」「アブミ骨」という3つの小さな骨で、漫画のNARUTO -ナルト-の登場人物のツチ・キヌタ・アブミというのはそこから取ったのだと思います)
「音」というのは「振動」です。この定義だけ、
音が鼓膜に当たると、鼓膜が振動します。
例えば、スピーカーは大きな音を出すとき「ドンドンドンドン」揺れているのがわかると思います。大きく言えばそれと同じです。
この振動が、これらの小さい骨を介して〝蝸牛管(かぎゅうかん)〟に伝わります。
蝸牛管の中はリンパ液で満たされています。
液体が振動を伝えます。
蝸牛管の中には、産毛みたいなものが内部に生えてまして、この小さい産毛が振動でなびきます。
その産毛がなびいたものが電気信号となり脳に伝わり、脳が音として感知する仕組みなのです。
原因はリンパ液の状態
何かが原因で、このリンパ液の状態が悪くなると、正常に音が感知できなくなります。
耳の中に限らず、人間の身体は「代謝」と言って古いものは排出され新しいものに変わるようにできています。
耳の中のリンパ液もしかり、です。
例えば肩や首のコリがひどく、頭部全体の循環が悪くなっていると代謝も悪くなります。
そうすると、リンパ液が入れ替わらず、古いままのリンパ液になります。
リンパ液が古くなると、サラサラ度が減り、ネバネバというかドロドロというか、粘度が高い液体になってしまいます。
粘度が高い、ということは多少の振動は伝わらないので、音が感知できなくなるのです。
これが難聴の原理です。
また、このように音が聞こえなくなってしまった際に人間は、音の感度をアップさせます。
なんとか音を拾おうとするわけです。
感度をあげすぎた結果、本来は音がなっていないのに音が聞こえてしまうようになります。
それが耳鳴の原理です。
突発性難聴におすすめの治療とは?
突発性難聴になったばかりの場合は、病院で処方されたお薬も服用しながら・・・・ということを大前提として、局所である耳の中と身体全体の循環をよくする治療がおすすめです。
循環をよくすることで耳の中の代謝をあげ、リンパ液を入れ替えるイメージ。
なぜ全体の循環改善も必要かというと、血管が血液を送るわけですが、耳だけを狙いうちしてもその手前ですでに循環が悪くなっている場合はその治療は意味をなさなくなるからです。
そのためには身体全体のゆがみをとることで全身の循環を改善させ、局所に鍼をすることで耳周辺の循環もよくするということが大切になります。
そういう意味で整体と鍼灸の組み合わせはおすすめできます。
さらに循環をよくすると、病院で処方されたお薬の効きも違います。
お薬は直接患部に効くのではなく、血液の中に成分が入って、それが患部に届くことで効果が出ます。
ですので、循環をよくすると、薬の成分が届く効率がよくなるので、その結果としてよく効くようになるのです。
突発性難聴は、なるべく早く治療を!
突発性難聴に限らず、ではありますが、早く治したいとお考えの場合は、病院での検査投薬を含め早くに治療に取り掛かるべきです。
放置しておくと治りにくいのですが、突発性難聴の場合は五感の1つを削られるためストレスが大きいです。
そのストレスを抱え、さらにもう治るか治らないかわからないという不安な状況に陥るよりは、なるべく早期の治療がベストであることは確実です。
過去に、「医者は嫌いだ」「右は聞こえないけど左はまだ聞こえる」「保険効かないのは高い」などと言って10年も一切治療をしなかったという方から相談を受けました。
なぜ10年もしてから治療する気になったかというと、突発性難聴になってすぐは家族(この方の場合は奥様)も心配していましたが、病院に行けと言っても行かず、呆れられていたそうです。
そうしてるうちに家族で会話していても右側から話しかけられると聞こえないので「え?」と聞き返すと「だから病院いけっていったのに」「もういい!」と怒られる毎日だということでした。
奥様も子供も会話をしてくれない、あのときちゃんとしていればよかったと後悔していると言われていました。
iPS細胞が出てきたとはいえ、まだまだ自分の体はスペアはありません。
ぜひなるべく早めにご相談いただければと思います。
今回は突発性難聴(難聴)と耳鳴りについて、書かせていただきました。
動画では、図を描きながら解説しておりますので、是非YouTubeもご視聴いただけたらと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。