こんにちは、西宮市のまつむら鍼灸整骨院院長の松村です。
当院に受診される患者さまの症状で、腰痛、肩こりに次いで多いのが膝の痛み。
そんな中でも、膝に水がたまった状態で受診される方がとても多いです。
受診されたときによく聞かれるご質問のひとつに
「膝にたまった水って、抜くとクセになるってホントですか?」
というご質問
普段、このご質問に私が回答させていただいていることを、今回は記事としてまとめてみました。
なぜ膝に水がたまるのか?
まずは、膝に水がたまる原因から解説させていただきます。
膝にたまる水ってそもそもなに?
下の図のように、膝は「関節包」という袋に包まれています。
そしてその袋の中は、関節がスムーズに動くための潤滑液で満たされています。
下の図の水色の「関節液」というところです。
その潤滑液が「水」の正体なのです。
膝に水がたまるということは、この潤滑液が袋の中で増えすぎている状態です。
膝に水がたまる原因とは
では、なぜその潤滑液が増えてしまうのでしょうか?
それは、膝が炎症を起こすからなのです。
関節を包む袋の内側の滑膜というところが・・・というかなり専門的な話になってしまいますので、専門的すぎる部分は割愛させていただきますが、なんらかの原因で膝に炎症が起こった場合、それは火事と同じなので、火を消すために水を増やすということを身体が行うわけです。
要するに膝に水がたまるのは、膝の消火作業をしている状態ということになります。
膝に炎症が起こる原因としては、加齢によるもの、リウマチのような病気によるもの、そしてスポーツや仕事による膝の使いすぎ、怪我が主なものになります。
膝にたまった水を抜くとどうなる?
膝が火事になっているから水を増やして消火作業をしているわけです。
膝に炎症がある間に膝の水を抜くと、身体は「まだ火が消えてないよ」と判断してまた水を出してしまいます。
これが「クセになる」の正体です。
「膝の水たまったから病院で抜いてもらったのに、すぐにまた水がたまる」
という人がいるのはそのためです。
ですので、膝に水がたまってしまったら、すぐに水を抜くのはやめたほうがいいのです。
膝の水を抜き続けると起こること
膝に水がたまって、それを抜く。
でも、また水がたまるから、また抜く・・・
これを繰り返すといったいどうなるのでしょうか?
実は、何度も繰り返すと「あ、せっかく消火するために出してるのに水いらないんだな」と身体が判断してしまいます。
そうすると、今度は炎症、すなわち火事が起こっていても放置することになります。
どんどんひどくなってしまい、最終的には膝が変形してしまう、という恐れもあるのです。
膝に水がたまった場合の正しい対処法
では、膝に水がたまってしまった場合、いったいどうすればいいのでしょうか?
大切なのは、膝の炎症を早く引かせることになります。
そこで正しい対処法をご紹介させていただきます。
膝を冷やす
膝に炎症が起こっているので、まずは炎症をおさえなければいけません。
膝全体をおおうように、氷やアイスノン的なものなどで、1回20分くらい、できるだけ1日2回以上冷やすようにしてください。
安静に
膝に炎症が起きているということは、その原因が何であれ、膝に負担がかかりすぎているということになります。
ですので、膝に負担がかからないように、なるべく安静にすることが大切になります。
専門家に相談
膝に水がたまる、という状態は決して楽観できるものではありません。
できれば、自宅で対処するだけよりも、我々のような専門家に相談されたほうがいいでしょう。
ただ、どこでもいいというわけではありません。
まず、絶対に行ってはいけないのは無資格の整体院やマッサージ。
身体のゆがみをどうこう、と言って身体を整えても、直接的に膝の炎症がひくことはありえませんし、無資格の人たちは身体野仕組みを理解していないため、余計に悪くされるリスクが高いです。
接骨院、整骨院はお勧めではありますが、チェーン展開しているところや、なんでもかんでも健康保険OKという感じの院は不正請求をされたり、スタッフが未熟で対応できない場合があるので、それらも選ばないほうがいいでしょう。
まとめ
さて、今回は膝に水がたまった場合について書かせていただきました。
実は、私自身も柔道をしていて膝を痛め、水がたまってパンパンになったことが何度もあります。
開業してからも試合に出ていたため、自分の身体で色々試すことができました。
その結論として、膝にたまった水はあまり抜かないほうがいいというところにいきつきました。
私が院で行う治療は、海外製の特殊な電気治療と鍼によって早く炎症を引かせ、手で膝の調整をし、最後に膝にかかる負担を軽くするためにテーピングや包帯を使って、「動ける固定」をしていきます。
膝のトラブルでお悩みで、どこにいっても良くならないという方はご相談くださいませ。