こんにちは、兵庫県西宮市のまつむら鍼灸整骨院の松村です。
長くなりますので、お時間のある時にでもじっくり読んでいただけましたら幸いです。
さて今回は、私からの切実なお願いです。
と、その前に、私の院にかける、治療にかける想いを知ってください。
私がまつむら鍼灸整骨院を開業したのは2005年2月。
来年で12周年になります。
10年一昔、とはよく言ったものですが、私が開業した頃ももう整骨院はたくさんありましたが、この12年の間にも西宮にたくさんの整骨院ができました。
それだけでなく無資格でマッサージをしているサロン、鍼灸院、国家資格を持っていない整体院などを含めると本当にたくさんの類似業種の院や店舗が私の院の近所のみならず、西宮市内に見かけるようになりました。
どの市場(業界)でもそうですが、競合(ライバル)が増えると、最初はサービスの質が上がります。
今まで独占できていた市場がそうでなくなるわけですから、我々の業界なら患者さん、他の業界ならお客さんに来ていただくために、今まではしなくてもよかったようなサービスをしてお客さんを確保しないといけないという状況になるからです。
しかし、そのサービスにも色々あります。
本当に良いモノ、良い技術を提供することをサービスだと捉え、日々精進するところもありますし、お客さん、患者さんに媚びるようなサービスを提供し、「とりあえず売上をあげる!」というためだけに経営している店舗、院もあります。
安い、別に商品(技術)にプライドのないところなら媚びるのもありでしょう。
媚びなければ売れないのですから。
しかし、我々はそれではいけないと思うのです。
少なくとも私は。
私がなぜ「開業」という道を選択したか。
それは修業時代、利益至上主義の院で働いてきて、様々なことを我慢してきたからです。
修業時代の本当にイヤな経験
もっとこうやったら患者さんの身体はよくなるのに
決められた手法しか認められていなかったのですが、まあ院を経営していく上で、「あの先生は当たり、あの先生はハズレ」とならないように、みんなが同じことができるようにしないといけないというのは経営者としては理解できるのですが、そもそも一番下のレベルでみんなを横並びにしようとするため、例えば経験10年近くの私と、経験3年ほどのスタッフとでは私が経験3年のスタッフに合わせなければならないという状況でした。
目の前に困っている患者さんがいて、それを解決できる技術を今すぐ提供することができるのに、それを禁止される。
まあコッソリとやっていましたが、バレたら怒られてました。
患者さんの身体を良くする仕事のはずなのに、それをすると怒られる・・・・
全く理解できませんでした。
なんで院長も幹部連中も、会議になったら時間短縮と回転率ばかり指摘して、患者さんのことを一切話題に出さないんだろう?
「分院展開」という、同じ経営者があちこちで院を出していく経営方法があるのですが、それぞれに分院長がいるため月1回院長会議なるものが開かれます。
話題は売上や来院人数の話題ばかり。
技術の話などは一切出てきません。
私も出席していましたが、毎月数字の話ばかりだし、オーナーはたまに自分がいく飲み屋のホステスやライオンズクラブの知り合いなどを呼んで治療する以外は現場なんて見てないで、毎月の売上の上下に比例して機嫌を変化させ、我々に「もっと稼げ」というだけの本当にしょーもない会議で毎月苦痛でした。
なんでその日の調子を聞いたらいけないんだろう?
患者が来たら一生通わせろ!
これが大阪市内で修業していた頃によく言われたことでした。
私は他の整骨院で修業後、鍼灸師の免許を取得してからその院で修業しましたので、最初はそれを知りませんでした。
ある患者さんが足首の捻挫で受診されました。
私が勤務していた院は、足首の捻挫だけで来られているのに全身マッサージをする、そういう院です。
(多分同業の先生が読まれたら、それだけで「なるほどね」とニヤリとするんじゃないでしょうか)
結局、後になってわかりましたが、捻挫は整骨院で保険が効きますが足首一カ所だけの請求だと単価が安いので、とりあえず全身もんでおいてあちこち怪我したことにして請求していたようです。
また、患者さんも数百円で全身マッサージしてくれるので通ってしまいますしね。
おっと、話を戻します。
その足首を捻挫された患者さんは、最初に私が診たわけではありませんでしたが、初診から2週間くらい経過した頃に初めて私がマッサージをすることになったのです。
カルテを見ても足首のことなど書いていません。
マッサージする部位のことだけ書いてるだけですので、勤務して最初の頃はどこがどう悪いのか把握したかったし、最初に修業したところでは兄弟子に「その日の症状を把握しないと仕事にならない」と言われ続けていたので、それが当然と思ってこの患者さんにも普通に尋ねたんです。
「今日は調子のほうどうでしょうか?」
と。すると・・・・
「あの〜、私、足首を捻ってお世話になってるんですが、もう足首全然痛くないんですよね。どの先生に聞いても『また明日来てください』って言われるのでさすがに毎日は時間的に無理なので1日おきくらいに来ているのすが、私の足首はまだ治ってないんでしょうか?」
と聞かれました。
そう言われると
「ちょっと足首診せていただけますか?」
というのが普通の流れですので、そうしました。
はい、完治してました。
思わず正直に
「もう治ってますね」
と言ってしまいました。
患者さんは
「あ、そうなんですか。じゃあもう来なくてもいいですよね?」
と言われたので
「はい、もう今日でいいですよ。今日も何もしてませんのでお金も要りません」
と答えたのですが、その時院内の他の先生の顔が引きつり倒してました。
その時は意味がわからなかったのですが、その日の終わりに散々お説教です。
「お前は経営意識が低すぎる。治療したらそれでええんとちゃうぞボケ!患者が一回来たら永遠に通わせるくらいのつもりでやれやアホ!そんなこともわからんでよく国家資格持ってんなホンマ。仕事をナメてんのかお前は。これで患者が一人減ったやないかコラ!売上落ちた分どう責任取るんじゃ〜!いちいち患者に調子なんて聞いてたらその分時間の無駄やし、治ってもてたら今日みたいなことになるから調子なんて絶対聞くな!」
と、優しく説教をされました。当時も今もまるで理解できません。
なんで治したらいけないんだろう?
先述した内容と少しかぶる部分もあるのですが、治しても怒られてました。
治療の勉強をしていると、なぜかやたらと治せるようになる時期があります。
触る患者さん、みな痛くなくなっていく。
「お!トキレベルまでではないけど、ケンシロウレベルにはなったかな?」
と勘違いする時期があるのが我々の仕事のアルアルです。
ま、あとでわかるんですけどね、そうじゃないってことが。
ちょうどそんな時期、治療が面白くて面白くて仕方有りませんでした。
他のスタッフが治せないものを自分は治せる。
患者さんは
「え?なんで痛くないの?すごい!」
なんて言って喜ぶ。もう快感です。
完全に調子には乗ってましたが、もう「痛い」ってキーワードに過剰に反応するくらい、いつでもどこでも「なんでもいいから治療させてくれ〜」なんて思っていました。
あ、ちょうど今の「Doctor X」というドラマで大門先生が「手術させてよ〜」というのと同じですね。
腕は大門先生のほうが上ですけど。
時系列的には上記の件(もう来なくていいですと言ってお説教された件)のほうが先だったため、私はずっと根に持っておりましたので、患者さんを治しては「もう来なくてもいいですよ」なんて言ってました。
もちろん、なんでもかんでも一発で治せるというわけではありませんので、治るまではしっかり通院していただいておりましたが。
するとある日、またお呼び出しです。
「松村、お前患者治してどうすんねんボケ。前から永遠に通わせろって言ってるやろ。ホンマお前は経営者としての意識が低い。いや、意識がない。お前開業目指してんねやろ。今からこんなことしてたら、お前開業してもすぐ潰れるぞ。この院がなんで流行ってるかわかるか!通わせてるからや。ちょっとは成長せえや」
と言われました。
柔道をやっていて怪我して困っている時に整骨院にいって怪我を治してもらって、それに憧れてこの道に入った私には、到底理解できる話ではありませんでした。
開業に至るまで
退職を決めた理由
上記のような本当にイヤな経験をしながらも、我慢して働きました。
実はそこを退職する時は、「母親が倒れて地元に戻ります」とウソをついて退職したんです。
それはなぜかと言うと、元々まだ退職は考えてなかったのですが、私のプライベートな知り合いのルートから当時私が働いていた院が不正をしているから調査が入るという情報を入手したからなんです。
その時はまさか不正をしているとは思っていませんでしたので、聞き流していた感じだったんです。
しかし・・・・
忘れもしない、もう何年も前ですが水曜日だったことを覚えています。
その情報を入手してから数週間後、当時80歳くらいの女性の患者さんから
「ねえ松村先生、私毎週水曜日に来ますよね?」
と聞かれたんです。
その通りなので「はい」と回答すると
「あのね、この前区役所から紙が届いたの。でね、ここにね、25日も通ったことになってるみたいなの。誰か違う人と間違ってたらいけないと思って今日ハガキも持ってきたの。〇〇先生(現場責任者)に聞いてくれない?」
と不安そうな顔で尋ねてこられました。
いわゆる保険請求に関しては、経営者の息がかかった身内しか関わっておりませんでしたので現場の我々はわかりません。
なので、
「ちょっと上のものに聞いてみますね。今現場にいないので、来週になってもいいですか?」
と伝え、事務の責任者が来てから
「あの、〇〇さんが月4日しか来てないのに25日来たことになってるけど間違いじゃないかと言われてたんですがどう答えたらいいですか?」
と報告と質問をしました。
また怒られました(笑)
↑
いや〜、ホントよく怒られてますね、私。
「お前な、そんなもん1回来たら全身マッサージしてな、機械あててな、チヤホヤしてやってんねん。1回分の料金やったら足りひんやろ。だからその分請求してるんや。数字の意識を高めろって言ってるやろ。わからんか〜、ホンマに」
と・・・・・
「あ〜、不正してんねや」
その時私はこう思いました。
翌週、私はその患者さんが来られた時に言いました。
「どうやらこの院は不正行為をしてるようです。〇〇さんはなにも落ち度はありませんし、私もこれは許せません。なのでなるべく早くに退職することにしました。〇〇さんも他の整骨院に行かれても構いませんし、役所に不正を通報していただいても構いません。私は事務に関われる立場ではないので辞めさせることもできないので、どうしようもないんです」
と。
その患者さんは
「ええわ、先生。この院には長いことお世話になってるし、松村先生は悪くないですし。先生がここにいる間はこのまま目をつむって通うのでよろしくお願いします」
と言われました。
ただこの患者さんを期に、急に同様の相談を受けるようになったのです。
「あ、これが調査ってやつか」
と思った私は、その時に退職する旨を伝えました。
一応、働き始めた時に、「退職の際は半年前に」と言われていましたので、半年後に退職しますということを伝えました。
ちなみに、この院私が退職してすぐにきっちり摘発されました。
いや〜、よかったです。
開業を決めた理由
当時、すでに大阪市内ではたくさん人を雇って、とりあえずマッサージさせて患者さんを通わせて、分院展開して金儲けするというスタイルの院がとても多くなっていました。
退職を決めたものの、もう二度とそんな院で勤務はしたくありませんでしたが、求人を出しているところのほとんどはそんな院ばかりでした。私のように過去に分院長の経験もあり、柔道整復師、鍼灸師の国家資格も持っていて、その時すでに経験が10年になっていたのでそこそこの経験がある、となると結構あちらこちらから声をかけていただけました。
しかし、どこもみな多かれ少なかれ似たような問題があるということがわかりました。
自分自身、もうこんなイヤな思いはしたくないし、次は我慢できそうにないと思いました。
だったらもう開業しちゃおう。自分の理想の院を作ろう。
患者さんに調子を聞いても、治しても、怒られないやん!
好きな治療しとけるやん!
そう思ったのです。
ここからも色々トラブルもありましたが、この想いから開業したのが始まりだったのです。
開業してから
開業当初
開業当初は大変でした。
広告は開業前に一度だけ1000枚ほどチラシをポスティングしただけ。
でも、徐々にクチコミで患者さんが増えてきました。
忙しくなると、人を雇用しました。
あ、当時は健康保険を使った本当にどこにでもある整骨院でした。
多額の借金をしての開業。
そのプレッシャーと戦いながら、日々患者さんを治療する。
ふと「患者さんを永遠に通わせろ」と言う気持ちもわからんでもないな、と自分の気持ちもブレかけたこともありました。
しかし、思いっきりブレていきました。
治せない整骨院になった
開業して患者さんが多くなってくるにつれて、30分、1時間お待ちいただくということも出てきたため人を雇用しだしました。
そうなると給料を支払っていかなければいけません。
また、私自身が「修業」という名目で初任給1万円だったので、自分が雇用した人にはそんな辛い思いをさせたくないと思い、ちゃんとした金額の給料を支払っていました。
すると、その給料分は売上をあげないと経営できない。
借金も返せなくなって院が潰れてしまいます。
そうなると、あの「誰でも同じことができる」ようにしないといけなくなったのです。
そう、私のレベルを落として、スタッフに合わせるようになったのです。
あれだけイヤな思いをしたにも関わらず、経営するために妥協したのです。
それからは自分の院なのに仕事がイヤでした。
でも、借金のため、スタッフのために我慢して続けました。
しかし、一番最初に雇用したスタッフは、高額な布団を売るネットワークビジネスを勝手にはじめ、患者さんを勧誘してました。
うちの備品(トイレットペーパーやゴミ袋など)を盗んだスタッフもいました。
私の見えないところ患者さんに私のあることないこと文句を言って、同情してもらってお小遣いをもらっているスタッフもいました。
それでも歯を食いしばって頑張っていました。
気がつけば、私の院は患者さんを治せない整骨院になっていたばかりか、私は30代前半にして血圧が180/110にまでなり、命の危険を感じるまでに精神的に追い込まれていました。
原点回帰
もう一度治せる院に戻そう、自分の全力を出せる環境にしようと思い、2013年1月から健康保険の取扱を辞めました。
その後、交通事故の取扱も辞めました。
健康保険で受けられる治療というのは、病院だろうが、歯医者だろうが、整骨院だろうが本来の制度では
「最低限のもの」
なんです。
歯医者なら「噛めればいい」、病院なら「生きてりゃいい」、整骨院なら「動けりゃいい」というレベルのことしかやってはいけないのです。
ここを一般の方々のほとんどは勘違いされてます。健康保険でなんでもやってくれると思っている。
癌の治療でも「高度医療」と言われますが、高度医療は保険適応ではないですよね?
歯のホワイトニングは保険じゃないですよね?
私は最高の治療を提供したくて開業したのに、健康保険を扱うことで「最低限の治療」しかできないように自分で自分の首を絞めていたことに気がついたんです。
なので、もう一度開業した時の想い、大阪市内で働いていた時のあの理不尽を思い出し、原点回帰しました。
現在の想い
まつむら鍼灸整骨院はどうありたいか
最近、整骨院の名前が院長の名前でない院が多いです。
SEOのことだけ考えて地名にするとか、自分が現場に出ないでいいように違う名前にするとか。
(師匠の名前や師匠の院の名前をもらうという場合もありますのでその場合は問題ないと想いますが)
私はそんな無責任なことはしなくなかった。
だから自分の名前を屋号にしました。
患者さんは私の院のことを電話で話をするとき「まつむらさん来てるから」と言います。
もし私の院が治らない院なら「まつむらは治らないよ」と言われるということです。
そうならないためにも、名前を屋号にしました。
私の院は、困った人の駆け込み寺的な存在あるのは当然のこと、本当に困って、悩んでいる人がその悩みから解放され、そして新たに何かチャレンジするところまでもっていく院ですし、そうあり続けるよう精進しています。
ただ痛いのを治すだけでは、マイナスからゼロになっただけ。
私の院に来られた患者さんには、ぜひプラスになっていただきたいのです。
肩が凝って仕事に集中できない。
肩こりがよくなって仕事に集中できるようになって残業しなくてよくなったら家族と仲良くなった、とか、出世した、とか。
膝が痛くて歩けない人が膝がよくなって、ジョギングにトライしたらフルマラソンに挑戦して完走できたとか。
患者さんにはそういう風になっていただきたいし、そういうモチベーションを持っていただきたい、そう思うのです。
だって、そのほうが絶対に人生が豊かですから。
治療への想い
まだまだ未熟ではありますが、私は整骨院はやはり治せないといけないと思うのです。
もちろん、経営を考えなければ今の時代は生きていけない時代です。
しかし、「経営ありき」ではなく「治療ありき」だと思うのです。
ただ、「治療」というのは技術だけではないのです。
肩こりや腰痛などの慢性疾患の場合は特に、生活指導と計画的な治療がとても重要になってきます。
慢性疾患であればあるほど、その原因は必ず日常生活の中の何気ない動作や姿勢といった、患者さん自身が日常当たり前にしている習慣にあることが多いです。
一回治療して、症状がマシになったとしても、その原因を少しでも減らしていかなければ症状はすぐ出てきますし、いつまでも治りません。
そしてスケジューリングも重要で、1回目の治療から2回目の治療、2回目から3回目、とそれぞれ適切な期間をあけて治療をする必要があります。
そうすることで、なるべく短期間、そして少ない治療回数で症状を安定させることが可能になるのです。
ですので、院に来る時だけ私に身体を任せてそれ以外の時は好き放題、というのではなく、患者さんの身体を私と患者さんとの二人三脚で良くしていく、患者さん参加型の治療をしていきたいと思っていますし、それこそが正しい治療だと考えているのです。
私からのお願い
さて、かなり長くなってしまいましたがぜひ私のこの仕事(治療)に対する考え方や想いをご理解いただいた上でこれから先を読んでいただきたいのです。
実はこれを書くきっかけは、昨日、本当に本当に嫌な思いをしたからなんです。
こう見えて私は、19歳でこの業界に入り修業をし、最初は伊丹市の中でもかなりガラの悪い地域、そして次は大阪の守口市の中でもかな〜り濃いエリア、そして最後は大阪市西成区というまあまあ凄いエリア働いてきました。
ですので、本当に様々な患者さんと会ってきました。
今までののべ人数になると10万人を超えます。
そんな私が、久しぶりに本当に嫌で嫌でその後の仕事に支障が出る寸前までなってしまったのです。
原因は一人の患者さんです。
先週電話があった時から、ものすごく態度が悪かったのですが、それ自体は痛みがひどい場合にイライラしていることも考えられるのでそれほど気にはなりませんでした。
しかし昨日また電話があり
「ワシ予約取ったの何時や?え?1時?12時やと思ってたわ。今から行ってええか」
と言われました。
予約が入っているので無理な旨を言うと
「は〜。おたく場所どこや。場所わからん。今わしひで八(戸田町のお寿司屋さん)の前におんねん」
と。
私はなんでまだ会ったことのない人間がこれほど横柄にタメ口で話せるのか理解できません。
道を説明するものの、
「アカン、道わからんからナビに入れるわ。ちょっと待てや」
と5分以上待たせる暴挙。
どうやら車を運転しながら電話してきていた模様。
警察に捕まればいいのに、本当に。
そんな非常識な人でしたが、「腰が痛いんや」と言っていたのを信じて待っておりました。
「今日はどうされましたか?」
と聞きます。
「あ〜、明日ゴルフやからな、鍼でもしてもらっとこかなと思ってな」
「腰は痛くないんですか?」
「腰?痛いよ。ずっとや」
「ずっとっていつからですか?」
「ずっとや」
だいたい、いつ頃からと尋ねて、考えもせずに「ずっと」と回答する患者さんは駄目です。
腹が立ってきたので
「ずっとって生まれた時からですか?違いますよね?」
と言ってようやく
「2、30年前や」
と。それでも10年の開きがあります。
「鍼がええねん、鍼が。」
「骨盤矯正効くんやろ?」
「明日ゴルフするからほぐしてほしいねん」
もう好き放題です。
「わしは〇〇(結構有名な、そこそこ日本経済を支える大企業)の役員やったんや。今の役員もな、代表取締役以外の役員はワシの子飼いや。ワシは18年役員やっとたんや」
と自慢話まで始めました。
正直、この世代のこんな非常識なジジイが日本経済の一端を支える会社の役員だったというのが本当なら、だから今の日本経済がガタガタなんだなと妙に納得するとともに、思わず「おい、日本の借金1000兆円も作りやがって」と言ってやろうかとさえ思いました。
すべての怒りに堪え忍び、治療をしました。
私の心のシャッターをすべて「閉」にして治療しました。
文章では表しきれないほど悪い態度、かつ非常識な言動ばかりする人でした。
治療後は虚無感しか残りませんでした。。。。
では、お願いを書いていきます。
予約はなるべく前日までにお取りください
国語的なことを言うと「予約」という言葉の意味自体が「事前に約束する」ことなので、やや二重表現になってしまうのですがそこはご理解ください。
当院はありがたいことに、私の想いに共感してくださった患者さんが日々治療に来られています。
また、患者さん一人一人を丁寧に診ていきたいため、1日の予約数は限られています。
そのため、いきなり電話してきて
「今すぐいけるか」
というリクエストにお応えするのは不可能です。
しかし、まだこのリクエストが
「さっきこけて足をひねって痛くて痛くて」とか「さっきギックリ腰になってしまって」とかそういうものなら全然いいのですが、電話で症状を聞いた時「あ、ちょっと肩こりで」とか「用事なくなったし」とかの理由ではお受けできません。
理由は次に書かせていただくことにも関連するのですが、長年この仕事をしてきて、慢性疾患、要するにかなり前から症状があったにも関わらず、当日の「今すぐ」というリクエストをしてくる方は、「自分が受けたい時だけ受ける」というパターンになる場合が非常に多いです。
慢性症状であればあるほど計画的にやっていかなければならないのに、自分のワガママだけを押し通して、思いついた時だけ治療を受けて「全然良くならない」と言われても、こちらも為す術がありません。
ですので、本気で治したい場合は事前にご予約をお取りください。
生活指導と治療計画になるべく従ってください
特に慢性症状の場合は、日常生活に原因があるため、患者さんの意思をもって動作や姿勢の改善をしていかなければなりません。
その難易度を下げるために治療をしたり、アドバイスをしたりします。
また、治療スケジュールも同様です。
面白い現象があります。
時間のある人ほど計画通りに治療を受けず、バリバリ仕事して忙しい人ほどスケジューリングをして計画通りに治療を受けるという現象です。
私も無理なことは絶対に言いませんし、いつも患者さんの都合を聞きながら、患者さんの状況と身体の状態をすり合わせて計画を立てていきますのでご安心ください。
予約時間はお守りください
約束の時間を守るというのは常識だと思うのですが、残念ながらそれができない方もおられます。
もちろん、人間は完璧ではありません。
私も過去、歯医者さんの予約をすっかり忘れてしまってすっぽかしたことがありますし、散髪の時間に遅れたこともあります。
理由があって遅れる場合は気兼ねなくご連絡ください。
別に怒ったりしませんのでご安心ください。
ただ、毎回5分ほど遅れるとか、当日に予約してそれでもなおすっぽかすとかもうわけがわかりません。
最低限の礼儀は守ってください
私は「患者さんは神様ではない」と考えています。
整骨院が乱立した現在、どんな患者さんのどんな要望も聞き入れる整骨院も増えてきました。
身体を治していくためには、それではいけません。
駄目なものは駄目と言うこともあります。
最近は病院でも
「松村さん、痛み止め出しておきますか?」
と聞く医師がいます。
インフォームドコンセントをはき違えてるんじゃないかと思うんですね。
医師が必要なら処方すればいい。
でも、必要がないなら、患者さんが欲しがっても処方してはいけない。
処方しない理由をしっかり説明すればいいのですから。
私は柔道整復師、鍼灸師という医療の国家資格を持っていますので、医療人です。
医療人がいる施設は医療施設だと思っています。
そして医療人と患者さんは対等な関係だと考えていますが、専門知識がある分だけ我々がその知識と技術を提供する、そして提供するためにしっかり説明する義務があると考えています。
ですので、「俺は患者やぞ!」と威張り散らす人、社会的立場をかさにきてふんぞり返る人、いつまでも過去の栄光の自慢話ばかりしてそれを基準に「あいつはバカだ」とか言う人が大嫌いです。
私は私よりも年下の方に対してもしっかりと敬語で対応させていただいております。
挨拶ができない、言葉遣いができないという躾がなっていない小学生のような人は来ないでください。
まとめ
さて、今回のブログはかなり長くなってしまいましたし、かなり堅苦しくなってしまいました。
申し訳ございません。
ただ、先述した人以外にも最近「今すぐいけますか」と電話してきて「無理です」と言ったら何も言わず電話を切るとか、キレてくるという非常識な人がいたため、私の精神を安定させないと良い治療ができなくなり、私を必要として通院してくださっている患者さん皆さんに迷惑をかけることとなるので書かせていただきました。
まあ要するに
非常識な人は来んといてくれ
って話を長々と書いてしまったわけなんですが、非常に困っているのは、非常識な人は自分が非常識だという自覚がないため、この記事を読んでも全然響くことなく、非常識なことをしちゃうということなんです。
こんな記事を書いたら
あそこの先生怖いんちゃうか、とか、なんか堅苦しい冗談の通じひん人ちゃうか、と思われるので嫌だったんですが、ホントそんなことはありません。
いつも患者さんとバカ話して、受付のはるさん、私の嫁さん、患者さん4人でバカ笑いしてる院ですので安心してお越し下さい。
ただし、治療だけは真剣です。
私は、治したいんです。
痛いなら、できるかぎり痛みを取ってあげたい。
しびれるなら、できる限りしびれを取ってあげたい。
悩んでいるなら、その悩みを解決してあげたい。
しかし、痛い、しびれる、悩んでいる、そんな本人に治す気がないのなら、私は無力なんです。
ぜひ私の想いを理解していただき、共感された方だけ当院に受診していただければと思います。