こんにちは。
兵庫県西宮市のまつむら鍼灸整骨院 院長の松村です。
今回は腰のヘルニア(腰椎椎間板ヘルニア)について書かせていただきます。
当院でも
「なってしまったらどうしたらいいんだろう・・・」
「手術をしないといけないんじゃないか・・・」
など、そういうことで不安を感じて、相談に来られる方、もしくはお電話などで「どうしたらいいんですか?」とご相談をいただく事が非常に多いです。
今回はそういうのも含めて、ヘルニアの本当のところというのを解説させていただき、過度な不安を持たなくてもいいようにしていければと思いますので、よろしくお願いします。
YouTubeにも動画をアップしていますのでそちらもぜひご覧ください。
まずひとつは、「腰のヘルニアって、何で決めれるの?」という話です。
よく「お医者さんに行って、ヘルニアって言われました」と言われる方、多いです。
「あぁそうですか」とお話をお伺いしていきますが、多いのが「レントゲンだけ撮って、ヘルニアって言われました」というパターンです。
レントゲン撮影でヘルニアは写りません
ヘルニアというのは骨ではなくて「背骨と背骨の間の椎間板というものがブチュっと出る」という形になりますので、レントゲンでは写らないのです。
「写らないものをレントゲンだけ撮ってヘルニアと診断する医者ってどうなの?」という話になるのですが、案外そういうところが多いそうで、よく相談を受けます。
レントゲン撮影だけで腰のヘルニア(腰椎椎間板ヘルニア)と診断されたら…
まずそうなったら何をすればいいかと言うと、僕はまずそれは信じないでいいのではないかと、「ヘルニアじゃない可能性もありますよ・・・」というところがひとつ。
確定診断という形で、しっかり画像で診断しようと思えば、MRIやCTなどを撮らなければいけなくなってきます。
レントゲンだけでは確定診断できないので、そこは安心していただけたらいいのではないかと思います。
そもそもヘルニアってなに?
*ここからの説明は動画をぜひご覧下さい*
ヘルニアというのは、〝脱出〟という意味のラテン語herniaです。
なので、脱腸は鼠径ヘルニアと言いますし、脳ヘルニアというものも存在します。
要するに、椎間板だけのものではない、ということになります。
そんな中で、腰のヘルニア(腰椎椎間板ヘルニア)というのは、腰椎(背骨の腰の部分)の間にある椎間板の中が出てしまい、それが神経をいたずらしてしびれや痛みを出すことを言います。
しかしながら、椎間板の成分の大半は水分です。
出てしまった椎間板も、時間とともに水分が減って萎縮して小さくなっていくので、神経が圧迫されている部分も、どんどん(圧迫が)軽くなっていきます。
なので相当ひどくない限りは、最初は痛いかもしれないですが、大体良くなります。
ではなぜ、医師が、結構「ヘルニアだー!ガー・・・」と言って大騒ぎするのかと言うと、ヘルニアに関しては、日本と海外では少し違いまして、欧米の方では研究が結構進んでいて、「ヘルニアはなるべく手術しない。手術するのはよほどの場合か、保存療法をやってみて結果が出ない場合」とされております。
日本よりも進んでいる海外の論文をご紹介します
「双子試験」によるヘルニア遺伝説
腰のヘルニア(腰椎椎間板ヘルニア)に関して言わせていただくと、「双子試験」というのがあります。
双子を追跡して行った実験データがありまして、大人になっていくにつれて、同じ双子でも環境は変わってきます。仕事も変われば、住んでいるところも変わったりと、環境が変わっても、面白い事に、腰のヘルニア(腰椎椎間板ヘルニア)の双子は、2人とも腰のヘルニア(腰椎椎間板ヘルニア)だったそうです。どちらかに腰痛があろうがなかろうが、 腰のヘルニア(腰椎椎間板ヘルニア)を持っていない双子は両方ともヘルニアを持っていなかったと。
このようにヘルニア遺伝説というのも、欧米では言われているほどですので、それほどナーバスになり過ぎなくても、僕はいいのではないかなと思っております。
「腰痛で安静」はもはや時代遅れ
腰のヘルニア(腰椎椎間板ヘルニア)が出て、画像を見せられて、「こんなんなってるから、あなたの腰はもう爆弾を抱えてるから、一生安静にしなさい」みたいな事を、病院で言われる事もあると思いますが、それもはっきり言って、ちょっと間違いかなと僕は思います。
腰痛というのは、腰に関わるものに関しては、安静というのは良い結果が出ないという臨床データが、欧米では発表されておりますので、できれば普通の日常生活通りの事をされていくのが大事かなという気がします。
最終的に「治るの治らないの?」という不安はあると思います。
「今はいいよ」と、「確かに、そんなに、大げさに考えなくても良かったんだ」というところですが、「じゃあ俺のこの症状いつ治るの?」というのが、腰のヘルニア(腰椎椎間板ヘルニア)になった場合は気になるところではないかなと思います。
腰のヘルニア(腰椎椎間板ヘルニア)に関して言うと、いろんな法律の都合上、「絶対治ります」というのは僕たちは言えませんが、欧米の論文データを見ると、2ヶ月間の保存療法で相当の割合で良くなっています。
もちろん間違った治療をしていると、良くはなりにくいので、正しいことをやっていくというのが大事かなという気がします。
30年弱、のべ20万人の臨床経験から考えた腰のヘルニア(腰椎椎間板ヘルニア)の原因
腰のヘルニア(腰椎椎間板ヘルニア)になる原因は、正直なところ今の科学ではわかっていません。
そこで、それなりのキャリアになってきたので、私の臨床経験からの考察を書かせていただきます。
腰のヘルニア(腰椎椎間板ヘルニア)が左右両方に出る人はいないです。ほとんど見たことがなく、左右どちらかに出ています。
そして人間の骨格というのは左右対称です。足があって、手があって、背骨が正中で、というのが人間の骨格になります。
これは四足でも一緒です。猫でも犬でも、元々が左右対称です。
もちろんこれを言うと、「内臓の位置が違うんじゃないか」とか「心臓がこっち側にあって、肝臓がここにあるじゃないか」という事を、突っ込まれる人もいますが、あくまで骨格で見た時には、左右対称になっています。
右だけ出る、左だけ出る、ということは、やはり身体のバランスが崩れているからである、と考えざるを得ません。
腰のヘルニアのときはこんな崩れ方、まではまだ到達できていませんし、多分生活環境や体質等色々な要素も加味されるため、1つに特定することは不可能でしょう。
また、身体のバランスを整えて、さらにそれをキープするように治療をしていくとほとんどの患者さんの症状が改善、消失しているところから考えても、やはり原因は身体のバランスの崩れではないでしょうか。
腰のヘルニアと言われても大丈夫!
腰のヘルニア(腰椎椎間板ヘルニア)というと、少し前まではすごく深刻に、「私ヘルニアだ。もう終わった」みたいな感じでした。
僕自身、この業界入ってからもう20何年経ちますが、昔はよく「医師から永遠に『死ぬまで安静』宣言させられた」とか聞きましたし、僕たちも最初腰のヘルニア(腰椎椎間板ヘルニア)の治療するとなったら、ピリッとして「ヤバイ、どこまで改善できるだろう・・・」みたいな感じで思っていた時期もありました。
今はいろんなことが科学で分かってきまして、案外と「いけんじゃないのか」ということも分かってきましたし、僕自身も臨床経験積んできて「腰のヘルニア(腰椎椎間板ヘルニア)の場合はこういう治療したら大体大丈夫だよね」というのも確立できてきています。
そういう点では、非常に良い時代になったと言うか、腰のヘルニア(腰椎椎間板ヘルニア)に負けない時代になったと思いますので、腰のヘルニア(腰椎椎間板ヘルニア)の方は希望を持っていただけたらいいのではないかなと思います。
今回は、腰のヘルニア(腰椎椎間板ヘルニア)について書かせていただきました。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。