四十肩・五十肩がなかなか良くならないとお悩みの方へ
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こんばんは、兵庫県西宮市のまつむら鍼灸整骨院院長の松村です。
さて今日は
「四十肩・五十肩」
について。

  • 動かしていないのに肩まわりがズキズキとうずく
  • 夜、肩がズキズキして眠れない
  • 深夜から朝方にかけて肩が痛くて目が覚める
  • 腕を動かそうとすると痛む
  • 腕を挙げることができない

などという症状でお悩みの方はぜひ最後までお付き合いいただければと思います。

私の院に受診される症状で、腰痛、偏頭痛と並んで多いのが「四十肩・五十肩」です。

昨日、治療の勉強会に参加していて昼食の時に勉強会の先生と同席で四十肩・五十肩の治療の考え方について尋ねられ、先生と同意見で「正解!」と太鼓判をいただいたので四十肩・五十肩について私の考え方を書いていきたいと思います。

四十肩・五十肩の症状

さて、まずは四十肩・五十肩の典型的な症状を紹介させていただきます。

結帯動作(けったいどうさ)・結髪動作(けっぱつどうさ)の制限

腰で帯を結ぶ動作、髪を後ろで結う動作のことです。
要するに、手を腰に回したり、後頭部に手を当てる動作がしにくくなる状態です。

運動痛

要するに、動かす時に痛みが出るということです。

自発痛

動かしていなくてもズキズキ痛むことです。

夜間痛

夜中に、ズキズキとうずくような痛みが出ることです。

急性期の場合は痛みがメインの症状になりますので、自発痛、運動痛、夜間痛を訴えられる方が多く、慢性期に入ると結帯・結髪動作制限のように「腕があがらない」と痛みよりも動かないことを訴えられる方が多くなります。

四十肩・五十肩の原因

病院で教えられる原因

実は四十肩・五十肩という正式名称はありません。
原因によって様々な名前が付くのですが、専門用語になりますし、「上腕二頭筋長頭腱炎」「三角筋下滑液包炎」「石灰沈着性腱板炎」という感じで、まるで中国語みたいになってしまいますので今回は詳しく書くのはやめておきます。
ただ、これらの名前の最後に「炎」という字が入っていることからもわかるように、肩の筋肉や靱帯などの肩の関節を構成しているどこかが炎症を起こしてしまっているのが原因であるということはおわかりいただけると思います。
では、なぜ炎症が起こってしまったのか?
そこを考えないことには、四十肩・五十肩を改善していくことは難しいでしょう。

四十肩・五十肩の本当の原因

これはとっても簡単です。

【 肩 を 動 か す か ら 】

なんです。

「おいおい、素人バカにするなよ!ほんなら世界中の人間全員四十肩・五十肩にならなアカンやろ」
と思われるかもしれません。
重要なのは「動かし方」なんです。
身体のバランスが崩れた状態で肩を動かすとどうなるか?
肩の関節というのは自由度の高い関節ですので、骨による強度は低いのです。
その分、筋肉や靱帯で関節の安定性を出しながら動いているため、肩の関節の一部分にだけ負担が集まるような動かし方をしていると、その部分に炎症が起こってくるのです。
そして肩の関節は・・・・
歩いている時に手をふる、スマホを見る、腕時計を見る、飲み物を飲む、食べ物を食べる・・・・・
起きてから寝るまで、いや、寝ている時にも顔を掻くなどの動作をすることもあるので、四六時中動かしていることになるわけです。
ですのでその動きが悪いと、すぐに炎症が出てしまうのです。
誰がなんと言おうと、これが原因です。
もう一つの原因は、
「肩を痛めたまま動かしていた」
ことです。
大怪我ではありませんが、無理な動作をして肩の関節のどこかに微細な損傷があり、その損傷を治さないままバランスの悪い状況で動かし続けることで炎症がひどくなり、ある日症状が出てくるというものです。

四十肩・五十肩の治療

治療自体は非常に簡単なのです。
ただ、本当は自宅でできるセルフケアを書きたかったのですが、それはやめにしました。
その理由は後述させていただきます。

急性期の治療

「安静」
これにつきます。
動かすな、ということです。
これは症状がひどければひどいほど徹底していただく必要があります。
ですので、私は必ず「三角巾」をしていただきます。
こういうヤツです↓

私も以前は三角巾を使っていましたが、今はもっといいものがあります。
これ↓

アームホルダーというヤツですね。
色も
黒と

白が

選べます。
メッシュ生地だから蒸れないし、軽いしでなかなか着け心地はいいです。
(6年前に私自身が肩の脱臼をした時に使いました)
動かすことで炎症が起こっているわけです。
そしてそれは積極的に肩を動かすだけでなく、歩く時に手をふるというような無意識に動かしていることも原因なのです。
ですので、ただ「動かさないように気をつける」では全然足りないのです。
だからこのようなものを使って手をつるのです。(提肘[ていちゅう]といいます)
そして、炎症がなくなって動かせるようになった時に正しく肩の関節が動くように、身体のバランスを整える治療をします。

※急性期の際に絶対やってはいけないこと

急性期には絶対に肩そのものを触ってはいけません。
肩に鍼を打つ、無理矢理動かす、マッサージするなんてのはもってのほか。
整形なら注射なんて悲惨の極致です。
余計に傷つけてどないすんねんっていっつも思ってます。
もちろん我々治療家だけでなく、四十肩・五十肩になってしまった人自身もこれを心がけないといけません。
「動かすな」と散々言ってるのにちょっと動かしてみたり、触ってみたり…
痛いから気になるのはわかりますが、指導にはなるべく従ってください。
またネットやテレビの情報は信じないほうがいいです。
(となると、このブログもネットでの情報だから信じるなという矛盾が生まれてしまいますが…)
「テレビで言ってた」
「ネットで書いてあった」
よりも、医療の国家資格を持っている我々から発信する情報で、しかも実際に身体を診てからの指導のほうが間違いなく正しいです。

慢性期の治療

慢性期の四十肩・五十肩の場合は、すでに炎症がなくなっているので、肩の関節の動く範囲を広げる治療になります。

①身体のバランスを整える

肩関節が正しく動くような状態を作らないまま肩を動かし始まると、また炎症が起こってしまって急性期に逆戻り…ということになりかねません。ですので、身体全体のバランスを整え、肩を動かしても大丈夫な環境を整えていきます。

②硬くなっている筋肉を柔らかくする

痛みや炎症により、筋肉が硬くなってしまっていることで動く範囲が狭くなってしまっているので、硬くなっている筋肉を柔らかくしていきます。この時には鍼灸治療が効果的です。

③動かす

動く範囲をしっかり動かす、これだけです。
もちろん、自宅でもできます。

※私がセルフケアを紹介しない理由

さて、ここでなぜ私がセルフケアを紹介しないかを書かせていただきます。
先述させていただいたように、身体のバランスが悪い状態で肩を動かすと肩の関節自体が正しい動きをしないため、悪くなってしまうことが多いのです。
あえてセルフケア…と言うのなら、ズキズキ痛む、夜間痛がある時は動かすな、程度のことしかありません。
四十肩・五十肩は、セルフケアを行うリスクが非常に高い症状のひとつなんです。

まとめ

今回は四十肩・五十肩について書かせていただきました。
四十肩・五十肩は急性期、慢性期ともに適切な治療をしないことには早期に改善にしくい症状のひとつです。
四十肩・五十肩をかなり悪化させてから来られる患者さん、もしくは、私が治療しても改善しない患者さんには3つの共通点があります。

  1. 自分の思い込みを曲げず、こちらの指導を一切聞かない
  2. 色々理由をつけて、安静にしない
  3. そのくせ「早く治せ!」とクレームのようなことを言ってくる

急性期の場合は、安静にしないと痛みはなくなりません。
仕事でどうのこうの、家事がどうのこうの…と理由をつけて、せっかく処方した三角巾やアームホルダーを装着せず、散々動かしまくります。
私も提肘(ていちゅう)したことがあるので不便なのはよくわかります。
何も嫌がらせで提肘してるわけではないんです。
早く治すためには避けて通れないところなんです。
急性期に提肘しないといけない期間は1週間〜2週間。
長くても2週間程度なんです。
ここを我慢できるかどうかが、回復の鍵となります。
もちろん、なるべく理解しやすいように真摯に説明もさせていただきます。
ただ、最後は四十肩・五十肩というのは、患者さん自身が本気で治したいか治したくないかが非常に問われる症状です。
四十肩・五十肩を本気で治したいという方のだけ、私にご相談ください。

(柔道整復師・鍼灸師 松村正隆 監修)

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