兵庫県西宮市のまつむら鍼灸整骨院院長の松村です。

「膝に水がたまった時はどうすればいいのか」という質問をよくいただきますので、今回はそのことについて書かせていただきたいと思います。

※YouTubeにも動画をアップしておりますので、ぜひそちらもご覧下さい。

 

実は膝については、僕自身とてもこだわりが強い関節です。

そう書くと「他はどうなんだ?」と思われるかもしれません。

ただ、僕自身が柔道をやっており、高校1年生のときに最初に大怪我をしたのが右膝でした。

また僕は開業してからも柔道の試合にずっと出場していました。
「今後試合に出るのはやめよう」と決意させられた最後の大ケガも前十字靭帯断裂という膝の怪我でした。

高校時代は内側じん帯というじん帯を切ったり半月板を割ったり、膝にまつわるいろんな怪我はほとんど経験し最後に前十字靭帯断裂。

膝に関しては骨折以外のすべての怪我を経験したと言っても過言ではありません。

僕自身も今の職業に就く以前から膝に関してすごく悩んでおり、いろんな病院や接骨院でいろんな治療を体験して来ましたがなかなか治りませんでした。それでも「柔道を続けたい」「まだ選手をしたい」と思い、この仕事をするようになってからは「自分の体を何とかしたい」という思いですごく勉強してきた場所です。

色々と勉強をさせていただき、さらにたくさんの症例を診させていただいての結論を書かせていただきますので、ぜひ最後までお読みください。

 

 

膝の構造について

※動画と一緒にお読み下さい。

膝というのは、太ももの骨(大腿骨)と脛の骨(脛骨)とお皿(膝蓋骨)で構成される関節です。

股関節のように窪みにはまっているような構造ではなく、単に骨と骨が合わさっているだけですので、構造的には非常に脆いとも言えます。

それを補うために各種靭帯等があります。

また靭帯とともに〝関節包〟というもので覆われています。

骨と骨が合わさる部分は軟骨でコーティングされ、さらに太ももの骨と脛の骨の間には〝半月板〟というクッション材があります。

 

 

膝に水がたまる原因

膝に水がたまるということは、滑液という液体が増えるということです。

なぜ増えるのかというと、実はこの袋の中のどこかで炎症が起こっているからです。

要するに火事が起こっているので、鎮火するために水をいっぱい溜めて早く炎症をひかせて痛くなくしようという、体の守る働きです。

 

 

膝にたまった水を抜いてはいけない3つの理由

僕自身、膝はこだわりのある部位である、と冒頭に書かせていただきました。
散々痛い思いをしてきました。
正しい治療をしないと膝は治らない、すでにそれがわかっているからこそ患者さんには僕の二の舞になってほしくないと思っております。

水を抜いたらすぐに楽になった気になるものです。
1回や2回くらいならそれもいいでしょう。

しかし、繰り返すリスクが高い以上、本来は「なぜ水がたまるのか」を考え、それを改善して水がたまらないようにするべきなのです。

まずは水を抜いてはいけない理由を書かせていただきます。

 

①炎症が引かなくなるから

炎症が起こっているのに注射をして火を消すための材料、消火剤を取ってしまうと、とても簡単で火事が起こりっぱなしになります。炎症が起こっているのに注射で水を抜くので、ようするに消火剤を抜くので、人の体はまた水をためようとします。よくある「注射でお医者さんに水を抜いていただいたのに、またすぐに溜まってきたんです」というのはこういう状態です。水は抜かない方がいいです。

何回も繰り返し水を抜くとどうなるかというと、炎症を起こしているからせっかく消火剤をいっぱい出して頑張っているのに、「え?いらないの?!」という事になります。「何回も何回も抜きやがって!」と体も「そんないらんねやったらもうエエわ!」「出さへんわ!」という事になってきます。

そうなると燃え放題になってしまいます。その結果何が起こるかというと、痛みを感じなくなったり、逆にすごく痛くなるかのどちらかです。そして変形性膝関節症のもとになる変形が始まります。最初の処置はすごく大事です。最初からいきなり水を抜くのはよくないという理由はこの為です。

 

②衛生的な問題

関節の中は無菌になっています。菌もウイルスも入っていない状態です。

膝の水を抜くということは、注射器で関節を刺すということになります。たかだか注射なので消毒が徹底された手術室の中でするわけではなく、普通の診察室で刺します。関節の中に針を入れるので、アルコールで拭いた後にもう一度ヨードチンキで拭きます。消毒方法としては強力ですが、菌やウイルスは空気中にいっぱいいるので完全無菌にすることはできません。汚染された針が入るわけです。

人間には免疫力があるので少し入ったぐらいでは全く影響はありません。ただ何回も何回も「溜まったからまた抜く」と高頻度に刺して関節の中に異物を入れることが良いわけがないでしょう。

 

③注射針の問題

注射針というのは、刺した部分が裂いたような傷になるようにできています。
ここが鍼灸の鍼と違うところなのですが。。。。

例えば皮膚でも、何度も同じところに注射をするとその部分がぶ厚くなり、色が変わり、硬くなってしまいます。

膝の関節包も同じです。
何度も何度も針を刺して傷つけていく・・・・というのは、絶対に望ましくありません。

 

 

膝に水がたまったときの対処法

大事なことはまず炎症を引かせることです。

膝に水がたまっているにも関わらず、たとえばずっと正座をしたりママさんバレーの練習を休まないなど、すごく負担がかかって炎症が起こる原因のことをやり続けるといつまでもダメです。

例えばママさんバレーやバトミントン、バスケットボールとかでもそうですが、趣味でスポーツをされていて、休みたくないので「やっぱり楽しいし行きたい」「練習行きたい」と言われます。

究極ですが、患者さまには「練習は行ってもいいのでやらないでおいてくれ」と言います。

すごく上を目指されている方もおられますが、「その後の懇親会で飲みたい」「それも全部含めて楽しいんだ」という方の場合は、練習に顔を出して出来ることだけをするという形で膝をかわいがっていただきたいと思います。

まずそれをやって炎症が引くまで我慢です。そこから治療をちゃんとやっていけば、時間はある程度かかりますが水は吸収されていきます。

残念ながら、魔法は存在しません。
安静にして炎症を引かせるべきです。

ただ、それほど長期間ではありません。(ただし、しっかり安静にした場合)

程度によりますが1〜2週間程度でかなり楽になると思われます。

 

 

膝に水がたまったらまずやるべきこと

膝に炎症が起こっていることは明確ですので、まずは安静必須です。
無理して動かすようなことはやめましょう。

できれば病院か我々治療院に早期に受診されるのがベストです。

たまに有無を言わさず注射され水を抜かれることがありますが、1回くらいであれば問題ありません。

ただ、もし水の中に血が混じっていたり、水でなくて血が溜まっている場合は手術が必要な怪我である場合があります。
(この場合は急性の怪我なので、「いつのまにか水がたまった」ではなく、明らかに受傷した状況が存在します)

 

 

まつむら鍼灸整骨院で治療する場合

はず、ドイツ製の微弱電流機器ハイチャージを当てさせていただきます。
これは細胞を活性化させる働きがあり、結果的に炎症を早期に引かせることができるようになります。

その後鍼治療をします。
膝に炎症が起こることで、膝に関連する筋肉が緊張してしまい、それがまた痛みを呼ぶので、余計な痛みを感じなくするためです。

最後に手技で膝の調整を行います。

その後、テーピングと伸縮性のある包帯で関節の補助、圧迫を行います。

これら一連の治療をすることで膝の炎症が早期に引き、たまった水の再吸収を促していきます。

少し時間はかかりますが、一番膝に優しい治療法となっております。

 

 

さて今回は膝に水がたまった場合に、その水を抜いてはいけない理由を書かせていただきました。
もし何度も膝に水がたまる、現在、水がたまっているという場合は当院にご相談ください。

(柔道整復師・鍼灸師 松村正隆 監修)

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