こんばんは、西宮のまつむら鍼灸整骨院の松村です。
さて前回のブログ「良い姿勢、悪い姿勢① 良い姿勢って?編」の続きです。
前回のブログで、良い姿勢の定義そのものが非常に曖昧であるということを書かせていただきました。
しかし、明らかに悪い姿勢というものはありますので、今回はどんな姿勢が悪い姿勢なのか、そして悪い姿勢の予防法を紹介させていただきたいと思います。
目次
立っている状態の悪い姿勢
百聞は一見にしかずです。
まずは写真を見ていただきましょう。
ガニ股の場合
よくドラマや映画とかでチンピラ役の人がこんなカッコしてますね。
うち股の場合
こんな感じですね。
ちょっと前からだとわかりにくかったですが・・・
背骨で比較してみると・・・
正常な背骨
さて、まずは正常な背骨の写真です。
重心の位置を、紐にオモリを付けて垂らしてみました。
頭から股関節の部分まで綺麗に一直線になっています。
この重心だと安定するわけですね。
ガニ股の背骨
おわかりでしょうか?
ガニ股になると、骨盤が後ろに傾きますので、重心も後ろになってしまいます。
うち股の背骨
ウチ股の場合はガニ股と逆で、骨盤が前に傾くので、重心が前になってしまいます。
座っている状態の悪い姿勢
これも基本的には立っている時と同じです。
一例だけ出してみましょう。
こんな風に座っているオッサンとかいますよね。
満員電車でこの座り方してたら超むかつくんですよね〜
最近の若い子はスマホばっかり触っているので↓のような姿勢も多いです。
これらは、ガニ股で立っている状態と同じになります。
座っている姿勢を背骨で比較
では同じように背骨で比較してみましょう。
正しい姿勢
悪い姿勢の場合
骨盤が後ろに傾いているので、いわゆる「座骨」の部分が座る面にあたらず、尾てい骨や仙骨という骨盤の骨の後ろ側が当たる感じになります。
重要なのは重心
立っている時も座っている時も、重心によって姿勢が変わります。
後重心の場合
後ろに重心がある場合、上半身をまっすぐにしていると後ろにこけてしまいます。
ですので、上半身を前に倒す必要があるわけです。
なので、いわゆる猫背のような状態になります。
前重心の場合
上半身がまっすぐのままだと、前に倒れてしまいます。
ですので、腰を後ろにそらすような状態を作り、まっすぐを保とうとします。
しかし、腰がそる分、結局背中の方は丸くなってしまうので、猫背のようになってしまいます。
正しい重心の位置でまっすぐ姿勢!
姿勢を良くしようと思った場合、いくら背筋(せすじ)を意識して伸ばすようにしても、姿勢は良くなりません。
なぜなら、重心を安定させようとしてその姿勢を取っているのですから。
なので、良い姿勢になるためにまずやらなければならないことは、足の位置(スタンス)を変えるということなんです。
立っている時、座っている時、気がついたらつま先の向きを平行に直してみてください。
それだけで、重心の位置は真ん中に来ます。
すると、今までの姿勢ではバランスが崩れてしまいますので、上半身の姿勢は勝手に修正してくれます。
その際の姿勢が、あなたの身体にとっての良い姿勢だということになります。
※正しい姿勢神話には気をつけましょう!
せっかく姿勢の話を書いてきましたが、正しい姿勢を取ったからと言って、肩こりや腰痛にならないわけではありません。
最近なんでもかんでも姿勢のせいにしているのを見かけますが、前回のブログで書かせていただいたように、姿勢と痛みは必ずしも関係があるとは言えないのです。
骨盤のゆがみも同じくです。
人間は動物ですので(当たり前ですが)、じっとしているのは苦手なんです。
筋肉と特性上、軽いものでも、ずっとじっと持ち続けているよりも、重たいものを一度持ち上げる方が得意なんです。
なので、良い姿勢だろうが、長時間同じ姿勢でいると筋肉も疲れてきますので、良い姿勢でいるから疲れないということはないということは覚えておいてください。
1時間ごとに2分は立ち歩こう
アメリカのユタ大学の研究によって、1時間に2分歩くことで座りすぎの悪影響を防ぐことができるという結果が報告されております。
特にデスクワークの方は、なるべく1時間に1回は2、3分だけ立ち歩くようにしましょう。腰痛か肩こりの予防になるでしょう。
まとめ
今回は悪い姿勢について書かせていただきました。
しかし、実はブログでは書ききれないことがまだまだ山ほどあるのです。
例えばこの重心は前後だけではなく、左右もあります。
荷重足、非荷重足と言うのですが、体重をかける方の足、かけない方の足などで姿勢も複雑に変わります。
また、「腰痛」や「肩こり」などの中でも、足のしびれや手のしびれが出るパターンなどがあります。
また、いわゆる五十肩もそれらが原因のことが非常に多いです。
ただ、これらはただ静止している時の姿勢だけが問題なのではなく、そういうポジションから動作を行うことの影響によるものが多いです。
治療では、悪くなった筋肉や関節の位置を元に戻すだけではなく、いわゆる「癖」を改善していくことも必要不可欠になってくると思います。
しかし、軽い症状の場合は足の向きを意識するだけで改善されることも多いですので、ぜひ一度足元に意識を向けて生活してみてください。
(柔道整復師・鍼灸師 松村正隆 監修)
いつも楽しく拝見させて頂いています。
松村先生のブログは偶然発見して考え方や治療法が何となく似てるんじゃないかなと気になって、ついついブログだけですけど追いかけちゃいます。
所で、今回の姿勢の話で初めて意見の食い違いがあったので少しだけ、生意気に思われたらごめんなさい、無視して下さい。少しお酒も入っています。普段こう言う投稿はした事無いのですが、、、
今回だけ。
僕は爪先を平行ではなくやや外に開くべきだと考えます。何故なら内転筋や四頭筋は大腿骨の後面に付着するし、股関節外旋筋群。を考えると自然に思えます。
パリコレモデル達が一人として爪先を平行に歩いてる人はいないです。
姿勢の良いとされるバレリーナもです。
重心は内側に落とす、踵で付き拇趾足で蹴り出すのは足の形状を見れば明らか、早く走ったりボールをストライクに投げるのなら爪先は正面を向くべきだとは思いますが、立っていたり歩くのであればやはり爪先はやや外向き、膝蓋骨は外に向くのが自然かと。
爪先が平行に向くのは足の筋力の弱い人なのではないかと思います、年寄か女子高生。もはや平行から内股に。
間違ってたらすみません。
ブログ楽しみにしてます。
同じ治療家として刺激になります。
初めまして。
これはあくまでも、内すぎている場合や外すぎている場合への対処法です。
また、専門家になら筋肉群からお書きになったように指導することもできますが、患者様は専門的な知識がないこと、なおかつ細かく「足の開きは何度」と指定したところで実践できないため「平行」としております。
ただ、色々臨床を重ねた結果、つま先の向きが異常に外や内に向いている場合、この方法をすることで症状が取れることが多いです。
逆に、「つま先は外向きがいい」と指導して、良い結果はほとんど出ません。
これは、おっしゃっている股関節外旋筋群の緊張がおこりやすくなるためです。
ちなみに、バレリーナは姿勢がいいとおっしゃっておりますが、バレエの指導も「つま先を外に向けろ」というのを言わなくなっている指導者も多いようです。
また、側弯症も多いです。なぜなら、胸椎の後方凸のカーブが減少するので。
ですので、つま先を平行にしておくことで、無意識のときにはちょうど良い開き方になると思っていただければいいかと思いますし、つま先を外に向ける指導をすると身体が悪くなることが多いと思っていただければ幸いです。