「私の腰痛は痛み止めが効かないほどひどいの?」と不安を感じている人に知ってほしいこと – 西宮のまつむら鍼灸整骨院 院長のブログ

「私の腰痛は痛み止めが効かないほどひどいの?」と不安を感じている人に知ってほしいこと

こんにちは、西宮市のまつむら鍼灸整骨院院長の松村です。

腰痛は当院が最も得意とする症状の1つですので、腰痛で受診される患者さんはとても多いです。
特に最近はテレワーク(リモートワーク)で、ご自宅でのデスクワークが増えたことで腰痛で受診される患者さんが増えております。

そんな中、とりあえず家にあるシップを貼って、あまりよくならないから家にある痛み止めを飲んで、それでも腰痛が治らないから整形外科に行って、胃薬とともにロキソニンを処方されて飲んでも腰痛が治らなくて、

 

「え?こんなに薬飲んでるのに治らない腰痛って、もしかして私の腰ってむちゃくちゃひどい腰痛なんじゃ?」

 

と不安になってしまって、色々と探しているうちに当院に辿り着かれたという方がかなりの人数おられます。

そりゃそうですよね。
風邪とか胃が痛むとか、そんなときにお医者さん行くと薬を飲むように言われ、真面目に飲めばだいたいよくなるのに、それでも良くならないってなると「なんか怖い病気?」って怖くなりますよ。

僕も高校時代、柔道をやっていてひどい腰痛があったのですが、あそこの整形外科はスポーツに強いとか、どこどこの整形外科は腰痛の名医だと言われてあちこちで色々な検査をしていただき、そしていっぱいお薬をいただきましたが全然良くならず、「練習を休みなさい」とか「もう柔道やめなさい」とか言われて半泣きになったことを今でも覚えています。

実際、「腰痛で痛み止め飲んでるのに全然効かない」と仰ってた患者さんの多くも「手術しないと治らないの?」「もうスポーツとかできないの?」などという不安を一緒に相談されます。

まず結論から言わせていただくと・・・・

 

「あなたのその腰痛は痛み止めを飲まなくても全然大丈夫です!」

 

ということですので、ご安心ください。

ということで、今回はなぜ痛み止めが効かないのか、そして、なぜ腰痛のときに痛み止めを飲まなくてもいいのか、そして、効かない痛み止めを飲み続けるリスクについても解説させていただきますので、現在腰痛でお悩みの方や、痛み止めを服用されている方はぜひぜひ最後までお読みください。

痛み止めはどうやって効くの?

痛み止めが腰痛に効かない理由を解説する前に、まずはその痛み止めそのものについて説明させていただきます。

ボルタレンやロキソニンなどの痛み止めについて

人間はどこかが傷つくと、炎症反応というものを起こします。
その中に「発痛物質」と言われるものを出すので、それが痛みを感じさせるのです。

その発痛物質を「プロスタグランジン」と言うのですが、ボルタレンやロキソニンはこのプロスタグランジンが作られるのを抑えることで痛みを和らげるのです。プロスタグランジンそのものを投与すると逆のことが起こるわけですが、それで有名なのは陣痛促進剤ですね。

要するに炎症が起こっているときに、その炎症によって出される痛みを感じさせるプロスタグランジンという物質を出にくくするお薬まのです。

ですので、関節炎であったり捻挫であったり虫歯や抜歯後であったり、また炎症反応という点で解熱剤として使用するであったりと、炎症反応が出ている場合に服用すると効果的です。

 

リリカについて

これらの薬は、痛みを感じている神経の信号を背骨(脊髄)の部分で遮断します。
ちょっと詳しく書くと、痛みを感じる神経はまず背骨に入るところで、二次ニューロンと呼ばれる、今までとは違う線に切り替わります。

身体から伝わってきた線と、背骨に入ってからの線が違うので、痛みを伝えるために〝神経伝達物質〟を出して線から線に電気信号を伝えるのです。リリカやプレガバリンは、この伝達物質が出るのを邪魔して、脳に信号が送られないようにすることで痛みを感じなくさせるというお薬なのです。

なので、服用すると眠気も起こります。

要するに、痛みの信号そのものを脳に辿り着くまでに遮断してしまうお薬です。

ですので、神経が傷つけられた場合に処方されることが多いです。
(代表的なものはヘルペスや三叉神経痛等)

 

 

痛み止めが腰痛に効かない理由

欧米の研究ではかなり前に明らかになっていることなのですが、急性腰痛、いわゆるギックリ腰はもちろん、慢性的な腰痛も、腰に炎症が起こっていません。

炎症が起こっていないので、炎症性の痛みのときに効果があるロキソニンやボルタレンは効果が出ないのです。
それと同じく、神経が損傷されているわけでもないので、リリカもそれほど効かないのです。

要するに、火が出てるなら水をかけることで消火できるのですが、火が出ていないので水をかけても変化しないということなので、痛み止めが効かないほどひどいということではありませんのでご安心ください。

また神経が障害されたりいたずらされたりしているときに効果的と言われるリリカですが、坐骨神経痛やヘルニアでリリカを服用して楽になったという方は少ないです。

これも、欧米ではヘルニアは痛みの原因でないとかなり信頼性の高い論文がいくつも出ていますし、坐骨神経痛にしても神経というのはそもそも圧迫されることよりも引き伸ばされることで痛みやしびれを感じることが多い特性を持っているため、神経そのものが障害されていないためリリカも効きにくいのではないかと推測できます。

 

 

腰痛で痛み止めが効いた、その理由はなに?

「私は効かなかったけど、友人が効いたと言っていた」とか家族から「私はこれで腰痛治ったよ」と勧められたという方もいらっしゃいます。

効果がないはずなのに、なぜ腰痛が無くなったり軽くなったりしたのでしょうか?

 

理由①実際に炎症が起こっていた

運動や肉体労働によって、腰の筋肉などに炎症が起こっているパターンであったり、本人の自覚なしに発熱(微熱であっても)していたことによる腰痛であれば体内で炎症が起こっているのでロキソニンやボルタレンなどの痛み止めが効きます。

それと同じで、例えばヘルペスはどこにでも出るのでもし座骨神経ラインにヘルペスが出たことによる坐骨神経痛であればリリカが効果的です。

〝まぐれ当たり〟と言ってしまうと身も蓋もないですが、たまたまそういう状況で、処方された薬がドンピシャというパターンの場合に「効いた」ということになります。

 

理由②思い込み

思い込む力って、実はすごいです。
心身症、という、精神的なものが原因で身体に異常が出る病気(ストレス性の胃潰瘍等)があります。
実はそれに似た名前の〝心気症〟というものもあります。

本来は病気でないのに、病気になることを恐れすぎたり、病気になったときに優しくしてもらった経験から病気になりたいと思いすぎて、痛みや症状を出す病気です。

痛みは本人が感じてしまえば痛いと言えちゃいます。
もちろんレントゲンやCTを撮っても異常ないですし血液検査でも数値に異常が出ないのですが、熱を出すことくらいはできてしまうのです。思い込みだけで発熱までさせてしまうので、少々の痛みを消してしまうことも可能です。(そもそも痛み自体が脳で感じるので)

ウソのようですが、かなり多いです。
私の祖父は内科医でした。

祖父が患者さんに「眠れないんです」と相談を受けると「良く眠れるお薬だよ」とお薬を渡していました。
そういう患者さん全員が「先生、よく眠れました!」と喜ばれたそうですが、祖父が渡していた薬はビタミン剤でした。

古きよき時代の話ですが、昔のお医者さんのほうがあまり薬を信じていないことや、薬が良くないとわかっていたこと、そして睡眠薬に常習性があること、そして眠れない、不眠だと訴える人のほぼ全員がいつもよりぐっすり眠れていないだけで断続的に眠っているということをわかっていたからこその対応でしょう。

それと同じで、過去に理由①のような経験をしていたり、腰痛ではない他の痛みがあったときに痛み止めを服用して効いた経験からの思い込みによって服用すると痛くなくなるということが起こります。

なお、このパターンで多いのは、服用してかなり短時間で痛みがなくなります。
薬は消化吸収され血液内に薬の成分が入り、全身を巡って効果が出るはずなのに、ひどい場合は飲んですぐ「痛くなくなった」となります。この場合は確実に思い込みによるものです。

何にしろ、人間の思い込む力というのは案外と強力ですね。

 

 

効かない痛み止めを飲み続けるリスク

お薬というのは、用法用量を間違えたり、長期間服用することで副作用を含めた色々な害があります。
治療家的観点からリスクを解説させていただきたいと思います。

リスク①薬そのものの副作用

例えばボルタレンやロキソニンの場合、長期服用することで胃がやられてしまいます。
(よく出る副作用なので胃薬が一緒に処方されるのです)

リリカの場合は肝臓の障害など重い副作用が出る場合もあります。
(リリカを継続して出すお医者さんはかなり危険で普通のお医者さんはしないはずですが)

このように、薬自体の副作用によって腰以外のどこか、特に内臓系が悪くなってしまうリスクがあります。

 

リスク②いざというときに効かなくなる

例えば抜糸をしたあとや、ケガで縫ったあとなど、明らかに痛み止めが効果的である場合にも長期間服用していることで効果が出なくなってしまっているため痛みが和らがないということが起こりがちです。

そうなると、人は量を増やしだします。
増やすことで更に規定量で効かなくなる身体を作ってしまうという悪循環になってしまうことが多いのです。

 

リスク③整体や鍼灸などの効果が出にくい

化学物質を使わない整体や鍼灸というのは、身体に何かしらの刺激を与えることで身体自体が良くなる方向に反応させるという仕組みです。

経験上のお話になってしまいますが、20万人近く治療させていただいていて感じるのは、長期間痛み止めを服用されていた患者さんほどその「良くなる方向への反応」が出るまでに回数も時間もかかってしまう、ということです。

ですので、せっかく「あ、腰痛には痛み止めは効かないんだ。整体とか鍼灸とかにしよう」と正解を選択されたとしても、すぐに効果が出ないので「他の人は〇回でかなり良くなったって言ってるのに私は全然だ。整体も鍼灸も私には効かない」となってしまいかねないのです。

非常に残念なことですが、この記事をお読みの方の中で半年とか1年痛み止めを飲み続けている、毎日じゃなくても週2〜3回は飲んでいるという場合は、結果を出すのにかなりの回数と期間が必要だと知っておいていただければと思います。

 

 

病院での腰痛の安静指導がNGな理由

日本の整形外科では、腰痛の場合にまだ痛み止めとシップと胃薬とともに「安静にしてください」と指導しているお医者さんがいます。

実はこの処方、すでに「効果無し」と世界では20年ほど前に証明されてしまっています。
日本では最近になってようやくNHKでも放送されましたがそれでも全部が正解なわけではなく、まだまだ日本のお医者さん目線レベルでしかないのが実情です。

腰痛の研究自体、日本はとても遅れていて、世界の先進国のほうが整体系や鍼灸などとともにヨガであるとか運動であるとかの研究が進んでいるような状況です。

ただ、安静にすることでただ腰痛に効果がないだけならいいのですが腰痛のときに長期間安静にすると腰痛が治る期間が相当長くなってしまうことが証明されているので、なるべく安静にはしないほうがいいでしょう。

 

 

まとめ

さて今回は長くなってしまいましたが、やはり腰痛だけでなく健康そのものにも多大な影響を与えるお薬のことだったので、ぜひとも正しい情報を知っていただきたいと思い書かせていただきました。

適度な運動をするだけでも改善する腰痛もたくさんあります。
安静になんてしなくていいですし、効かない痛み止めを飲み続ける必要もないですので、ウォーキングしたり、もし腰痛を理由に趣味のスポーツをやめているという場合は、そのスポーツに復帰してみてはいかがでしょうか?

また腰痛の原因は、身体全体のバランスの崩れです。
身体全体のバランスを整えることで、血液の循環がよくなります。

血液の循環が良くなると、悪くなってしまっているところに治すための材料(栄養)と酸素を送ることができるので、腰痛も改善していきます。

もし、痛み止めを飲んでも全然腰痛がよくならない、と不安をお抱えの方はぜひ一度ご相談くださいませ。

(柔道整復師・鍼灸師 松村正隆 監修)